過去の選考からの再スカウトが求職者に歓迎される理由とは
最近、株式会社DOTFINDが行った転職経験者を対象とした意識調査では、過去に選考を受けた企業からの再スカウトに82.8%が好意的な印象を持つ結果が示されました。このデータからは、企業と求職者の関係がどのように変化しているかが伺えます。
調査の背景
転職市場は現在、求職者優位の状況が続き、企業は採用に苦労しています。そのため、企業は候補者データベース(タレントプール)を活用し、以前選考した候補者に再アプローチを行うことに注目しています。しかし、多くの企業は「一度不合格とした候補者に連絡するのは良くないのでは」といった心理的障壁から行動に移せずにいます。この調査は、そのような懸念をデータを通じて検証する目的で実施されました。
調査結果の要点
1. 過去の企業からの再スカウトに対する印象
調査結果によると、82.8%の回答者が過去に選考を受けた企業からの再スカウトに対してポジティブな印象を示しました。この内訳を見ると、「状況やタイミングによってはポジティブ」とする回答が39.5%に上りました。つまり、再接点は必ずしも候補者にとって負担ではなく、むしろ歓迎される可能性が高いことが明らかになりました。ただし、一律のアプローチではなく、「適切なタイミング」が重要であるという点も留意が必要です。
2. 再応募の意向
過去に選考を受けた企業への再応募の意向が71.7%に達しました。この際、再応募を検討する条件として「状況やタイミング」が挙げられています。つまり、一度断った候補者が完全に失われた存在ではなく、適切な条件にて再アプローチが可能であると言えるのです。
3. 再応募の決定要因
再応募の理由としては、「面接時に得た情報が前向きだったから」(39%)や「企業に対する良い印象」(34.8%)が主なポイントです。しかし、逆に「求人条件が改善されたから」という回答は25.9%にとどまりました。これは、年収や待遇の向上ではなく、選考における印象や体験が重要であることを示しています。
4. パーソナライズの重要性
調査結果の中で特に注目すべきポイントは、85%以上の候補者がパーソナライズされたアプローチを重視しているということです。過去のデータを基に的確に情報を届けることが求められています。画一的な情報提供ではなく、候補者のニーズに合わせたアプローチが今後の採用戦略における成功のカギになるでしょう。
5. 情報接触による意向への影響
選考中に他の情報を得た候補者のうち、66.5%が「理解が深まり、意向が上がった」と回答しました。これは、選考期間中に企業についての多角的な理解が意思決定に大きく影響することを示しています。
6. 様々な情報を網羅する必要性
候補者は、職種や仕事内容、キャリアパス、福利厚生についての情報を求めています。このことは、特定の情報だけでなく、幅広く網羅したコンテンツをパーソナライズして提供することが求められるという増えた要件を示しています。
求人市場の変化を受けて
この調査で浮かび上がったのは、企業が候補者との再接点を持つことをポジティブに捉えられるようになった点、パーソナライズと接触の質が求められるようになった点、そして選考体験そのものが将来の接点を生む資産となるという3つの変化です。株式会社DOTFINDの代表取締役である中島陸氏は、採用はただ募集して待つことではなく、候補者との関係を設計することが求められると強調しています。
このように、過去の選考企業からの再スカウトは、候補者にとって歓迎される要素の一つとして位置づけられていることがデータから明らかになりつつあります。今後、企業はこの流れに適応し、効果的な情報戦略を展開していく必要があります。