新たな広告の形、ABEMAが挑む
国内OTTサービスのABEMAは、2025年4月29日から新たな広告の形、「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」を導入すると発表しました。この手法は、番組内の特定のシーンやコンテンツに関連した広告を配信することを目指しており、視聴者にとって自然で快適な広告体験を提供します。
「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」とは
この新しい広告手法は、ウェブサイトやその他のデジタルコンテンツで使われている「コンテクスチュアル広告」を映像に応用したものです。具体的には、映像の中の特定の瞬間やシーンに関連性の高い広告を、そのまま映像の枠内に表示します。これにより、視聴者は広告を意識することなく、コンテンツを楽しむことができます。近年、こうした形の広告が注目されているのは、視聴体験を妨げないためです。
ABEMAは、2024年末にコンテクスチュアル広告のリーディングカンパニーであるGumGumとの共同実証実験を通じて、この手法の効果を検証しました。この実験では、人気の恋愛リアリティーショー『花束とオオカミちゃんには騙されない』の特定のシーンに、旅行関連の広告が表示されました。結果として、広告を見た視聴者の中で、ブランドの認知度が51%上昇し、興味関心も27%向上するという顕著な効果が確認されました。
ABEMA Contextual Sponsored(コンテクスチュアル スポンサード)
この度商品化された「ABEMA Contextual Sponsored」は、ABEMAのオリジナル番組に特化しており、特に恋愛リアリティーショーなどの注目コンテンツに関連した広告を配信する仕組みを取り入れています。この手法の特徴は、視聴者にとって関連性の高い広告が提供されることで、ブランドへの興味を高めることができる点です。
2025年4月29日から初めて導入される予定の新作番組『ウェディングウォーズ』は、結婚を前提にする8組のカップルが、厳しいサバイバルミッションに挑む内容です。この番組では、カップルが同じ環境で生活するシーンやサバイバルの瞬間に関連する広告が表示される予定で、視聴者にとっても親しみやすい広告体験が提供されるでしょう。
今後の展望
ABEMAは今後も、この新しい広告手法を拡大し、さまざまな番組で関連性の高い広告の展開を進めていくとともに、視聴者の属性や視聴環境によって広告をカスタマイズして表示できる技術を開発する方針です。これにより、視聴者にとってよりパーソナライズされた広告体験が実現されるでしょう。
ABEMAが切り開く新しい広告手法に期待が高まっています。視聴体験を重視した革新的な取り組みに注目です。