アカデミックな音楽プロジェクトの新作が登場
東京都渋谷区に拠点を置くクリエイティブレーベル、Academimicが、科学とポップカルチャーの調和を目指して、新しい楽曲「モットハヤク-Muon meets unseen-」を発表しました。この楽曲は、高エネルギー加速器研究機構(KEK)および総合研究大学院大学の大谷将士助教の監修のもと、ミューオンの加速をテーマにしています。
ミューオンの新たな一面を音楽で表現
大谷助教は、この楽曲を通じて、非常に短命の素粒子であるミューオンをモチーフに、知られざる物質との出会いを音楽で表現しました。「ミューオン」とは何か、またそれにまつわる科学的な側面を、リスナーが親しみやすい形に変換した作品として仕上がっています。
ミューオンは、宇宙の組成物質のわずか5%を占める普通の物質とは異なる存在で、ダークマターとの関係も深いとされています。これらを探るため、大谷助教は加速器を駆使して未知の物質の謎に迫る研究を行っており、この活動を音楽という新たな媒体を通じて紹介する試みが、「モットハヤク」です。前作「アトカタ」に続く第二弾の楽曲で、科学者の生活や研究をより身近に感じさせるような内容になっています。
楽曲の誕生背景
このプロジェクトには、作曲家でありボカロPの田口十る氏も参加。二人はミューオンをテーマに、科学者の探究心と個人の研究の重なりを意識した歌詞を制作。楽曲の中では、1秒未満の瞬間でさえ何かを発見する意欲を表現しています。彼らの音楽が持つストーリーテリングの力を通じて、リスナーは科学の最前線に触れることができます。
また、作品はミュージックビデオも公開されており、視覚的にも楽しめるものとなっています。
作品ページはこちらから
ミュージックビデオを見る
公開記念イベントのお知らせ
楽曲の発表を記念し、10月6日にオンラインイベントが開催されます。このイベントでは、大谷助教と田口十る氏がゲストとして登壇し、楽曲をテーマにしたトークセッションが行われます。参加者は、ミューオンに関する深い議論を通じて、科学と音楽のコラボレーションの魅力を体験することができる貴重な機会です。
- - イベント名: 「ミューオン〜加速器とまだ見ぬ物質〜」KEK×Academimic
- - 日時: 2024年10月6日(日) 13:00-14:00
- - 参加費: 無料
- - 事前登録ページ: こちらから
大谷将士助教のコメント
大谷助教は今回の楽曲について、「科学者の存在を少しでも身近に感じていただければ嬉しいです」とコメントしています。音楽を通じて科学への興味を喚起し、聴衆に楽しんでもらえることを期待しているようです。
Academimicとは
Academimicは、学術と文化を融合させた新たなアウトプットを目指すクリエイティブレーベルです。論文や学会に留まらず、さまざまなメディアで科学の魅力を伝えています。最近では、内閣府との提携プロジェクトや、街中での「ロンブンアートストリート」展示など、独自の活動を展開しています。
この「モットハヤク」を通じて、音楽と科学が交わる新しい世界に触れてみてください。