2024年フリマアプリにおける中古スマートフォン市場動向
株式会社リスマが発表した「2024年版フリマアプリ市場における中古スマートフォン取引実績調査レポート」によると、2024年1月から12月の間にCtoC市場における中古スマートフォンの取引がどのように推移するのかが明らかになりました。調査は、メルカリ、Yahoo!オークション(旧ヤフオク!)、ラクマ、ムスビーの4つのサービスを対象に実施され、流通金額と成約件数のデータが収集されました。
調査の概要
リユース市場は年々拡大を続けており、2023年には約3.1兆円に達しました。その中でもCtoC市場は約1.3兆円を占めています。リユース事業者向けの相場検索ツール「Smapra」を運営するリスマは、リユース事業を支援するためのデータ収集に特化した機能を持っており、今回の調査の目的は中古スマホ市場の現状を把握し、業界全体の活性化を図ることです。
重要な調査結果
2024年におけるフリマアプリ4サービスの中古スマホ流通金額は約199億円、成約件数は約65.6万件と前年に比べて減少しました。具体的には、流通金額は前年比90.4%減、成約件数は前年比84.6%減という厳しい結果です。特に商戦期での成約件数が伸びなかったことが目立ちます。
最も流通金額の高いプラットフォームはメルカリであり、約120億円、シェア率は60%を占めています。また、平均取引単価はフリマごとで異なり、ラクマが最も高い45,340円という結果が出ています。
中古スマホの人気モデル
中古スマホの市場においては、Apple製品が圧倒的な人気を誇っています。流通金額ベースでは「iPhone12」が最も流通しており、なんと9.13億円に達しています。一方、成約件数では「iPhone SE 第2世代」が人気で、約4.3万台が取引されています。
Androidの中でもAIを搭載したモデルが人気を集めており、ここにも市場の変化が見て取れます。また、バッテリー性能が80%未満のスマホのリセールバリューは大きく下がるという点も注意が必要です。
市場の変化と展望
今回の調査結果から、2024年の中古スマホ市場規模が前年を下回ったことは確かですが、これは市場の衰退を示すものではないと考えられます。消費者のニーズの多様化と取引環境の変化が背景にあり、特にスマホの価格の高騰や製品の寿命が延びていることが影響しています。これは「まだ使えるスマホを高値で売りたい」という消費者の意識の高まりを反映しています。
環境省の調査によると、リユース利用経験者は人口の約3割にとどまっており、今後の市場拡大の余地は大いにあります。想定されるのは、アーリーマジョリティ層からレイトマジョリティ層への広がりで、取引時の安心感を提供する施策が今後の鍵となるでしょう。
まとめ
最終的に、調査ではリユース市場が持続的に成長を遂げるためには、消費者への安心感と信頼性を提供することがより重要になると結論づけています。リユース市場のさらなる拡大が期待される中、取引の質を高める工夫が求められます。以上のように、2024年フリマアプリ市場における中古スマホ取引の実績は変わりつつありますが、引き続き市場の動向を注視していく必要があります。