メタバース上に月面酒蔵が登場!
スペースシードホールディングス株式会社が、Urth社開発のメタバースサービス「metatell」を用いて、バーチャル空間上に「月面酒蔵 - Lunar Brewery-」のβ版を公開しました。
この革新的なプロジェクトは、新潟県津南町にある日本酒蔵「津南醸造」をモデルに、田野アトリエ一級建築士事務所がデザインを手掛けた、近未来的な酒蔵を再現しています。
宇宙と発酵技術の融合
本プロジェクトの背景には、スペースシードホールディングスが取り組む宇宙における食料生産システムの研究開発があります。同社は、一般社団法人SPACE FOODSPHEREのプログラムにも参画しており、宇宙環境での食料生産技術の確立を目指しています。
発酵技術は、限られた資源下でも食料の栄養価向上や保存性を高める上で有効な手段です。宇宙空間特有の環境(微重力、放射線、閉鎖空間など)を考慮した発酵プロセスの設計は、宇宙での食料供給の多様化と質の向上に大きく貢献すると期待されています。将来的には、宇宙での生活における健康維持やQOL向上にも繋がると考えられています。
「月面酒蔵 - Lunar Brewery-」で実現する未来
「月面酒蔵 - Lunar Brewery-」は、「2040年の酒蔵を現代に再現する」というコンセプトで設計されています。メタバース空間上に構築された酒蔵は、人々が集い、交流し、価値交換を行う場として機能します。
参加者は、それぞれの端末からアクセスし、月面建築に関する知見や、月面での微生物生産の可能性について学ぶことができます。
計画されているイベントとしては、バーチャルな蔵見学ツアー、世界中の人々を招いたグローバルカンファレンス、ディストリビューションに関する会議などが挙げられます。さらには、お酒以外のイベントへの貸し出しも検討されているとのことです。
関係各社の取り組み
Urth株式会社は、メタバースプラットフォームを提供し、企業や個人の表現を支援する企業です。独自のメタバース構築プラットフォームを提供することで、本プロジェクトを支えています。
田野アトリエ一級建築士事務所は、建築設計を手がけ、宇宙空間を意識した独創的なデザインで「月面酒蔵」を形作りました。
津南醸造は、新潟県津南町の日本酒蔵です。豊かな自然環境と伝統的な技術を活かし、酒造りを続けています。今回のプロジェクトでは、そのノウハウがメタバース空間に再現されています。
スペースシードホールディングス株式会社は、「SFをノンフィクションにする」というミッションを掲げ、宇宙関連の研究開発、投資、事業創出を行う企業です。本プロジェクトは、同社の宇宙における食料生産技術開発戦略における重要な取り組みの一つです。
今後の展開
「月面酒蔵 - Lunar Brewery-」β版の運用開始を皮切りに、今後、様々なイベントや機能が追加される予定です。このメタバース空間が、宇宙開発における新たな可能性を示唆する場となることが期待されます。
説明会開催
本プロジェクトに関する説明会が、2024年11月18日(月)にシンガポールで開催されます。詳細については、スペースシードホールディングスの公式ウェブサイトをご確認ください。