KDDIアジャイル開発センターが設立した「AI駆動開発コンソーシアム」について
2023年、KDDIアジャイル開発センター株式会社(以下、KAG)は、生成AIを前提とした新しい開発スタイルであるAI駆動開発に関する啓蒙活動と知見の共有を目的に、「AI駆動開発コンソーシアム」を共同設立しました。代表取締役社長の木暮圭一と、発起人である岡澤克暢が中心となり、企業の壁を越えて協力し、AI技術の進化に対応した開発の普及を目指しています。
背景と目的
最近の生成AI技術の急速な進化に伴い、アプリケーションやシステム開発において、生成AIを活用することがますます重要視されるようになっています。そのため、これまで補助的なツールとして扱われていた生成AIが、今後は開発の基盤となる考え方へと変わっていく必要があります。特にエンタープライズシステムの開発においては、生成AIを利用した新たな開発手法が不可欠であるとの認識が広まっています。
日本国内では「2025年の崖」と呼ばれるレガシーシステムの問題が深刻化しており、これを解決するためには、生成AIを活用したアプローチが求められます。そのため、AI駆動開発が新たな開発プロセスとして位置づけられ、企業間の協力が重要になると考えています。
コンソーシアムの活動内容
この新しいコンソーシアムの活動の中で、以下のような主要な取り組みが行われます:
1.
AI駆動開発の実践事例の共有
各企業が実際に活用したAI駆動開発の事例やノウハウを収集し、企業間の知見交換を通じて成功要因や具体的な課題を明らかにします。また、エンタープライズ領域のレガシーシステムに関するマイグレーションの取り組みについても情報を共有し、問題解決に向けた活動を促進します。
2.
勉強会やイベントの開催
エンタープライズ向けのAI駆動開発に関する勉強会やカンファレンスを企画・運営し、先進企業による実践事例や技術トレンド、導入プロセスに関する知見を共有します。
3.
課題整理と施策の提言
AI駆動開発の導入に際して直面する共通の課題を整理し、それに対する具体的な対策を提案する資料を作成します。これにより、企業や業界、政策レベルにおける改善への影響を目指します。
4.
専門組織の立ち上げ
「AIDD CoE(AI駆動開発推進センター)」を立ち上げ、日本企業が効果的にAI駆動開発を導入できるよう促進します。企業内での最高責任者『CADO』に対して最新の知見や成功事例を共有し、組織のリーダーシップを高める支援も行います。
まとめ
KDDIアジャイル開発センターによるこのコンソーシアムの活動を通じて、日本企業全体の競争力強化とイノベーション創出が期待されます。技術進化に直面する企業にとって、AI駆動開発を通じた新たな取り組みが今後の成長に大きく寄与することでしょう。協力し合いながら、次世代の開発体制の確立を目指していく意義深いプロジェクトであると言えます。
このように、KDDIアジャイル開発センターの「AI駆動開発コンソーシアム」は、日本におけるAI開発の未来を見据え、企業の枠を超えた協力によって、新たな価値創造を進めていく重要なステップになります。