メルクが日本のエレクトロニクス市場に1億ユーロを投資、次世代材料を強化
メルクが日本のエレクトロニクス市場で大規模投資を実施
メルクは、日本のエレクトロニクスビジネス部門に向けて、2025年までに1億ユーロを超える投資を行うことを発表しました。この投資は、グローバル成長戦略「Level Up(レベルアップ)」の一環として実施され、次世代電子機器向けの最先端半導体材料とディスプレイ材料のイノベーションを加速することを目的としています。
日本における投資計画の背景
この5年間の投資計画は、メルクがエレクトロニクス部門のイノベーションを強化し、能力を向上させるためのものです。「Level Up」戦略は2021年に発表され、アジアや米国の拠点において、総額30億ユーロ以上の投資を行う計画が含まれています。日本での研究開発やパイロット生産を経て、グローバルな製造能力を活かし、高品質な新材料を迅速に市場に供給することを目指しています。
メルクのエレクトロニクス・ビジネスCEOであるカイ・ベックマン氏は、顧客企業とのコラボレーションが非常に重要であるとし、地域への投資を通じて電子材料における専門知識を提供し、安定した供給を行う考えを強調しています。日本市場の製造力と研究開発力を活かし、次世代の半導体およびディスプレイ用の先端材料の開発を進めることで、市場の需要に応えられると信じています。
キーとなる半導体とディスプレイ材料の重要性
半導体およびディスプレイ材料は、電子機器の高度化とその性能向上において重要な要素となっています。メルクは、この分野で独自のポジションを持ち、ほぼ全ての製造工程で特殊ガスや化学品を供給しています。メルクエレクトロニクス株式会社の代表取締役社長、永田勝氏は、日本が新しい材料開発にとても意欲的であり、多くのトップシェア企業が集まる市場であることを指摘します。また、グローバルな半導体およびディスプレイ向けの次世代材料開発を推進するために、静岡事業所をテクノロジーハブとして強化する考えを示しました。
静岡事業所の果たす役割
静岡事業所は1984年に設立され、半導体・ディスプレイ材料に関する製品開発を行ってきました。2021年には、掛川市に面積6000平方メートルの新しい施設が完成し、今後も研究開発の拠点として活躍することが期待されています。この施設では、オフィススペースだけでなく、部門間や顧客との交流を促進するための環境も整っています。
成長戦略「Level Up」とは
「Level Up」成長プログラムでは、今後のエレクトロニクス市場の成長を視野に入れ、スケール、テクノロジー、ポートフォリオ、能力の4つの重点項目に投資を集中させています。これにより、メルクはエレクトロニクス・ビジネスの成長目標の基盤を築き、世界の半導体およびエレクトロニクス産業における大規模な容量拡大の実現を目指しています。
メルクについて
メルクは、ヘルスケア、ライフサイエンス、エレクトロニクスの分野で世界有数の企業として知られています。約58,000人の従業員による技術の進歩を目指し、がんや多発性硬化症の治療法から、液晶材料に至るまで、広範な製品を提供しています。2021年には、66カ国で約197億ユーロの売上を達成しました。メルクは1668年に創業し、医薬・化学品業界で最も歴史がある企業の一つです。
今回の1億ユーロを超える投資により、メルクは日本のエレクトロニクス市場での地位を強化し、次世代材料の開発促進に寄与することが期待されています。
会社情報
- 会社名
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メルクエレクトロニクス株式会社
- 住所
- 東京都目黒区下目黒1-8-1 アルコタワー
- 電話番号
-
03-6261-7413