HTB制作のテレメンタリー、ギャラクシー賞に輝く
2024年度の第62回ギャラクシー賞で、HTBが制作したテレメンタリー「沈黙の搾取見過ごされた障害者虐待」がテレビ部門奨励賞を受賞しました。また、報道活動部門では「知床沖観光船沈没事故 2年5カ月に及ぶ独自の検証報道」が入賞という栄誉を手にしました。
この受賞は、特に社会の隅々に根強く残る障害者差別の実態を取り上げたことで、多くの関心を集めています。最新の放送は、2024年10月20日の予定で、北海道恵庭市の牧場での長年の劣悪な状況と、それがどのように続いてきたのかを掘り下げます。
『沈黙の搾取見過ごされた障害者虐待』とは
このドキュメンタリーは、知的障害者3人が牧場主と恵庭市を相手取った裁判を取材したものです。彼らはそれぞれ最長で45年間、過酷な労働環境で無給で働き、長年にわたり虐待を受けていました。水道も暖房もない環境で、十分な食事すら与えられず、牧場主による障害年金5000万円以上が不当に使われていたことが明らかにされています。
番組では、恵庭市が情報提供を受けたにも関わらず、実際の調査を怠っていた事実や、牧場主への「忖度」が疑われています。テレメンタリーは、この問題を通じて不公正な扱いに苦しむ障害者たちの声を届け、いまだに解決されていない根深い差別に光を当てることを目的としています。
このドキュメンタリーは、すでにギャラクシー賞テレビ部門の10月度月間賞や、2024メディア・アンビシャス大賞北海道賞も受賞しており、その重要性が評価されています。ディレクターの須藤真之介氏は、原告のひとりがこの番組を通じて多くの支援者から応援の声を受けたことを伝え、「より多くの人に自分の経験を知ってもらいたい」と表明したことを語りました。
「知床沖観光船沈没事故」の報道活動部門入賞
同時に、報道活動部門では「知床沖観光船沈没事故 2年5カ月に及ぶ独自の検証報道」が入賞しました。この報道は、事故の原因やその後の対応についての詳細な検証を行っており、これからも多くの関心を集めることが予想されます。
贈賞式は6月2日に東京で開催され、HTBを含む報道活動部門の入賞作6本の中から大賞、優秀賞、選奨が発表される予定です。
このように、HTB制作のドキュメンタリーは、社会に蔓延る問題に真正面から向き合い、不正や差別についての理解を深める重要な役割を果たしています。今後の放送にも大いに期待が寄せられています。
番組の詳細は
こちらからご確認ください。
制作スタッフ
- - ナレーション: 森さやか(HTBアナウンサー)
- - 撮影: 安達真石、石田優行
- - 編集: 橋本庸嗣
- - ディレクター: 須藤真之介
- - プロデューサー: 広瀬久美子
この受賞を機に、さらなる多角的な取材が期待され、社会問題に対しての理解が深まることが望まれます。