AIと人間の共進化を実現する2025年への期待と展望

2025年の展望：AIと人間の共進化

謹んで新春のお慶びを申し上げます。2025年が皆さまにとって豊かで実り多い年であることを心より願っております。近年、AIと社会との距離はぐんと縮まり、AIが私たちの日常生活にますます深く浸透していることを感じます。2024年を振り返ると、特にAIの基盤モデルの開発が急速に進み、そのコストが劇的に低下しました。この潮流は、AIを利用したアプリケーション開発への投資が増加する要因となり、私たちPKSHA Technologyにおいても複数のAI関連サービスを展開する機会に恵まれました。

AIと科学の進化

2024年には、AI研究の著名な成果として、物理や化学の領域でのノーベル賞受賞がありました。これは、AIがもはや単なるツールではなく、科学そのものの手法を変革する存在として位置づけられるようになったことを示しています。このような進展は、私たちの生活や仕事のあり方を根本から変える可能性を秘めているという強いメッセージと受け取ることができます。加えて、何のためにAIを活用するのかという「本質的な問い」が、私たちに求められる時代が到来しています。

労働力不足への対策

我が国は現在、人口減少や労働力不足という大きな課題に直面しています。これに対して、AIとデジタル技術の活用が広まりつつあり、未来の社会がより良い方向に進む期待が高まっています。私自身、政府主導の会議に参加する中で、AI技術を駆使することで公共サービスを維持・進化させるための議論が盛んに行われていることを実感しています。

具体的には、PKSHA Technologyの提供するAIが、2024年時点で47都道府県において4000を超える企業に導入され、様々なビジネス活動を支援している状況です。また、AIを活用した人とAIの対話数も増加し、累計で約8億回に達しました。この数字はAIの潜在能力とそれを支える私たちの取り組みの成果を示しています。

コミュニケーションの進化

PKSHA Technologyにおいては、AIの進化がコミュニケーションの型を変えている実感があります。2024年には、多様な問題がコミュニケーションの不具合によって引き起こされることが増え、それに対する解決策としてのAIの導入が進んでいます。たとえば、コンタクトセンターでは、自然言語処理技術が活用され、企業として顧客との信頼関係を新たに築く手助けを行っています。さらに、大阪メトロではAIが障害者サポートを行い、埼玉県の学校では不登校の兆候を察知するAIの導入が進んでいます。

社会的責任の自覚

昨年、私たちは東京証券取引所のプライム市場への移行や、グループ会社の上場といった重要なマイルストーンを迎えました。これを機に、私たちが社会的な責任を果たす必要性を強く自覚し、その実現に向けたコミュニケーションをさらに強化することを決意しました。

AIとの共進化：未来への道

AI活用を本格化させつつある今、2つの重要な傾向が浮かび上がっています。一つは、AI活用で得た成功体験をもとに、さらにその活用を進める企業が増加していることです。AIを何のために活用するかという基本的な問いを持つ企業が多くの成果を上げている証左です。もう一つは、AIの普及が進む中で、何のためにAIを活用し、私たち自身がどうありたいのかという「人間性」に対する洞察が一層重要視されるだろうという点です。テクノロジーは手段に過ぎず、その先にある本質的な問いが今後ますます問われる時代に入るでしょう。

私たちPKSHA Technologyは、「人とソフトウエアの共進化」をビジョンに掲げ、未来のソフトウエアを創造することで社会の発展に寄与することを目指します。本年も皆様の変わらぬ支援を賜りますようお願い申し上げます。