公務員向け新ワークショップが始まる
2025年4月から、元東京都職員の松元彩佳さんが主導する地方自治体向けの対話型ワークショップが始まります。今回の取り組みは、松元さんの15年間にわたる東京都庁での経験を生かし、公務員特有の悩みや課題を解決することを目指しています。
公務員の離職率とその背景
近年、地方公務員の離職率は上昇しており、その背後には心身の不調や職員同士のコミュニケーション不足があると言われています。組織のために働くことに重きを置くあまり、自身の感情やニーズを後回しにする方が多く見られます。
松元さんは、自己の在り方を見つめ直し、どうありたいかを考える必要性を感じています。そのため、対話できる環境を整えることが求められています。
ワークライフバランスの重要性
昨年、秋田県湯沢市の職員向けに行ったワークライフバランスに関するワークショップでは、参加者から「自分自身を考える良い機会となった」という声が寄せられました。この結果から、松元さんは全国の自治体に向けたワークショップ展開を計画しています。目的は、公務員が「私らしい働き方」を見出すきっかけを提供し、これにより地域活性化につなげることです。
複雑化する公務の現状
社会の急速な変化により、地域住民のニーズが多様化し、行政業務がますます複雑になっています。特に2022年度の調査によると、地方公務員の自己都合退職者数は約10年間で2.2倍に増加。特に30代以下ではその数字が3倍以上です。この現象は公務員のみにとどまらず、地域社会全体に影響を及ぼす問題となっています。
松元さんの提言
東京都職員として多くの時間を過ごしてきた松元さんは、業務に追われるあまりコミュニケーションの余裕が消えている職場の実情に心を痛めてきました。身体と心の健康を保ちながら、安心して働くためには、単に「組織のため」に働くのではなく、「職員一人ひとりのため」の視点が重要です。活発な対話を促進する環境こそが、風通しの良い職場作りの鍵だと松元さんは提唱しています。
期待される成果と未来のビジョン
松元さんの活動を通じて、自分自身を大事にしながら生き生きと働く公務員が増えることを期待しています。そういった職員が地域で活動することで、地域全体が活性化し、未来の子供たちにも明るい未来を描かせる社会が実現できることを目指しています。
このような取り組みが広がることで、次世代の公務員たちが自分らしい働き方を見つける手助けとなることを願っています。松元さんの活動は、単なるワークショップにとどまらず、より良い社会を築くための大きな一歩となるでしょう。