スノーリゾートカンファレンスが未来の業界動向を展望
2025年4月、コリアーズ・ジャパンが主催した「Snow Resort Conference 2025」が東京都千代田区の本社にて開催されました。本カンファレンスでは、日本のスノーリゾート市場の活況及びその運営や開発の方針について、産業界、行政、学界からの専門家が一堂に集まり意見を交わしました。
カンファレンスの背景
2024年には、日本国内を訪れる外国人観光客が過去最多の3,600万人を突破する見込みで、観光産業の重要性がますます高まっています。特に、日本のスノーリゾートは世界的に高く評価され、持続可能な観光産業としての可能性が探求されています。しかし、地球温暖化による降雪量の不安定化や国内スキー人口の減少、老朽化したインフラといった課題も明白です。そこで、参加者たちは今後の持続可能なスノーリゾート運営に必要な戦略やリスク管理方法について議論を深めました。
コンテンツの概要
カンファレンスでは、産業界の関係者から約50名が参加し、カクテルタイムを含むネットワーキングセッションも盛況のうちに終了しました。各セッションでは、スノーリゾート運営の最新トレンドやマーケティング、プライシングの重要性が強調されました。
住吉敬氏によると、日本のスノーリゾートは北米や欧州と比較して魅力が高いとされていますが、リフト券の価格は割安であることが課題とされています。また、ルスツリゾートでの「25時間券」や訪日客向けの「シーズン券」の販売が好調であることも紹介されました。
ニセコ町の町長、片山健也氏からは、観光協会設立の取組やスキー場の安全対策についての施策が挙げられ、多くの参加者からの共感を得ました。特に、地域住民の支払い意欲が高いことが新たな地域条例の導入に結びついているという点は、多くの耳目を集めました。
また、気候変動リスクに対しては、青山学院大学の伊藤春祥教授が、積雪デリバティブを活用したリスクマネジメントの手法を発表。新潟県2市のスキー場を例に、積雪リスクと客数の関連についてのデータ分析を交えた発表は、参加者にとって有意義なものでした。
持続可能なリゾートの方向性
アジア・パシフィック・ランドの山内絢人氏は、スキージャム勝山の取り組みや地域コンテンツの強化について講演しました。スキー場を通年型リゾートにするための様々な施策について、多くの考察が行われました。
さらに、到来する未来に向けたスノーリゾート運営にとってが必要な発展的議論もなされ、來場者から寄せられた質問や期待を基に、業界のさらなる成長に向けた戦略の構築を目指しました。
まとめ
コリアーズ・ジャパンでは、スノーリゾートに加え、今後ヘルスケアなど様々なテーマでの専門カンファレンスを年間約3回実施していく予定です。これにより、日本の観光産業全体の持続可能な成長を促進する土壌が形成されることが期待されます。業界の未来を見据えた重要なイベントとして、カンファレンスは業界関係者にとって価値ある時間となったことは言うまでもありません。
コリアーズ・ジャパンは、グローバルな視点から日本の観光産業をサポートし、さらなる発展を期していることが色濃く表れた一日でした。