神戸港の水素エンジン荷役機械でカーボンニュートラル実証開始

神戸港における水素エンジン荷役機械の実証



2023年4月17日、国土交通省は2050年に向けたカーボンニュートラルな港湾の形成を推進する一環として、神戸港で水素を燃料とする荷役機械の現地稼働実証を開始した。これは世界初の試みであり、脱炭素社会を実現するための重要なステップと位置付けられている。

カーボンニュートラルポート(CNP)の意義



国土交通省は、全国の港湾や産業の競争力を強化し、同時に脱炭素社会を実現するために、カーボンニュートラルポート(CNP)の形成を進めている。このCNPは、低炭素化を実現した港湾機能の高度化や水素等の受入れ環境の整備が含まれ、港湾が荷主や船社から選ばれる存在となることを目指している。

現地実証の内容



今回の実証は、神戸港のポートアイランド(第2期)地区で行われ、以下の内容が含まれている。
1. タイヤ式門型クレーン(RTG)の刷新
ディーゼルエンジン発電機を水素エンジン発電機に換装し、令和6年度末までにこの換装作業を終了した。
2. プロセスの安全確保
水素を安全に貯蔵するための充填システムを整備。
3. 現地での運用テスト
水素充填済みのRTGによる現場稼働実証が予定されており、データ取得や分析が行われる。

実証の結果をもとに、今後は港湾の施設における技術基準の改訂や、水素を燃料とする荷役機械の導入拡大に向けた環境整備が進められることが期待されている。

今後の展望



国土交通省は、令和7年度に現地稼働実証を完了し、得られた情報を分析・評価する。その後、令和8年度にかけて、港湾の施設における技術基準改訂に向けた議論が進められる予定だ。これにより、港湾施設のさらなる脱炭素化が進むとともに、国際的な競争力を高める可能性がある。

現在、報道関係者向けに現場見学会も予定されており、実際に水素エンジン荷役機械が動く様子を確認する機会も設けられている。関心のある方は、近畿地方整備局のプレスリリースをチェックしてほしい。

まとめ



神戸港での水素エンジン荷役機械の実働実証は、カーボンニュートラル社会の実現に向けた重要なマイルストーンであり、脱炭素化の先駆けとなることが期待されている。今後の進展にも注目が集まる。

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