2024年10月16日、東京で開催された「Talk With おはなしテレビ」のプレス発表会には、歌手の小林幸子さんや浜松医科大学の専門家が集まりました。この新しいサービスは、高齢者がいつでもコミュニケーションを楽しめるツールとして注目されています。
サービスを提供する株式会社シルバコンパスが開発した「Talk With おはなしテレビ」は、タブレットを使って高齢者に疑似的な対話体験を提供するものです。このプラットフォームは、医療機関での対話型問診システムや共感性に基づく研究を元に作られ、高齢者の脳の刺激や心の健康を目的としています。
発表会では、小林幸子さんが自身の介護経験について語りました。彼女の父親が昔の思い出を話す姿を見て、会話が人生における大切な要素であると感じたそうです。幸子さんは、閉じた心を開くためにこのサービスが役立つと信じています。
デモンストレーションでは、小林幸子さんと対話する様子が披露され、参加者が「すごい表情豊かで意外と綺麗ですね」といった言葉を交わす楽しい場面が展開されました。このような会話を通じて、高齢者にとって心の支えとなる瞬間が生まれることが期待されています。
医学的な観点からも、浜松医科大学の山本清二先生と井上真智子先生が本サービスの有効性について説明しました。発表によれば、会話は脳の多機能を活性化するため、エンタメ要素がある本サービスの継続的な利用は認知機能の維持に貢献するとのことです。また、認知症予防には40代からの脳トレ習慣の重要性が強調されました。
代表の安田晴彦氏は、このサービスが生成AIを使用しない理由について、実際のコミュニケーションを提供することを強調しました。また、実証実験での反応も好評で、多くの高齢者が小林幸子さんに対して心を開く姿が印象的だったと語りました。
「Talk With おはなしテレビ」は、長期的にサービスを楽しめるように様々なトークテーマや高齢者以外のお話し相手も予定しています。問題解決のため、認知症の検査機能も開発中であり、医療現場にも応用できる可能性が秘められています。
この新しいサービスは、特定の世代の方々に向けたエンタメとしてだけでなく、未病対策としても注目されており、今後の展開に期待が寄せられます。