近年、介護事業における請求業務の負担が重くなっており、その効率化が求められています。介護施設では、提供するサービスの料金を利用者や保険者に請求する必要がありますが、これには多くの手間と専門知識が必要です。そのため、業務の自動化を実現する新しいシステム「N-SYSTEM-pay」が開発されました。
N-SYSTEM-payの開発背景
介護サービスの支払いは、原則として1~3割が利用者の負担で、残りは「国民健康保険団体連合会」からの介護報酬として支払われます。介護事業者は、介護報酬請求(国保連への請求)と実費請求(利用者への請求)という2つの請求業務を行う必要があります。しかし、請求業務にはミスが許されないため、担当者には熟練した知識と経験が要求されます。
事務職においては、請求業務以外にも多様な業務を抱えており、特に限られた期限内で請求を行わなければなりません。これにより、人材不足や担当者の退職によって業務が混乱することもあります。これを解消するために、介護施設「ケアビレッジ ライル温品」では、請求業務の自動化が望まれていました。
N-SYSTEM-payの特徴
N-SYSTEM-payは、主に以下の特長を持っています。
1.
業務負担軽減: 介護事務員と介護職員の業務を軽減。
2.
専門知識不要: 請求業務が属人化せず、誰でも扱いやすい。
3.
カスタマイズ可能: 施設ごとのニーズに応じて柔軟に対応。
4.
ペーパーレス: スピーディに請求書を作成し送付。
5.
コスト削減: 初期導入と運用コストが低価格。
システム概要
このシステムの自動化が対象とするのは、主に「利用者請求」です。介護記録システム「N-SYSTEM-Care」と、kintoneで構築した実績集計アプリを連携させることで、日々の介護記録から実費を自動で集計し、PDF形式での請求書作成を可能としました。また、プログラミングの知識が不要なので、自施設に合った業務フローを構築ができます。これにより、高額な請求システムからの移行が容易です。
さらに、「ケアビレッジ ライル温品」では、レセプト業務を外部委託することで業務負担をさらに軽減し、請求業務の属人化を解消しました。2022年11月からの試験運用によって、手作業で行っていた請求書の集計や送付を自動化し、80%以上の業務削減に成功しています。
今後の展開
今後は、利用者向けにLINEを通じて請求書の自動送付や支払いの電子マネー化、一貫した支払い管理のシステムも開発中です。このことで、入金後の確認作業が軽減され、より迅速かつ正確な請求情報の管理が実現される予定です。
会社概要
- - 商号: 株式会社North Hand
- - 代表者: 代表取締役北村聡
- - 所在地: 広島県安芸郡府中町柳ヶ丘16-7
- - 設立: 2006年6月1日
- - 事業内容: 介護システムの開発・販売・コンサルティング
- - 資本金: 3,000千円
- - URL: North Hand
介護業界の効率化に向けた「N-SYSTEM-pay」の導入は、今後の介護事務業務の在り方を変える重要な鍵となるでしょう。