2025年ブループラネット賞の受賞者発表
公益財団法人旭硝子財団は、地球環境国際賞であるブループラネット賞の2025年受賞者を発表しました。この賞は、1992年に開催された地球サミットを契機に創設され、環境問題への取り組みやその解決に大きく貢献した個人や団体を顕彰するものです。今回は、ロバート・B・ジャクソン教授(米国)とジェレミー・レゲット博士(英国)の2名が受賞者に選ばれました。
受賞者の業績
ロバート・B・ジャクソン教授
ロバート・B・ジャクソン教授はスタンフォード大学の地球システム科学科に所属し、陸域生態系における炭素循環の研究で高く評価されています。彼は、土壌、植生、微生物の相互作用を深く理解するための先駆的な研究を行い、温室効果ガスの排出削減に貢献してきました。2017年からはグローバルカーボンプロジェクトの議長を務め、世界的に温室効果ガスの監視と削減を推進しています。
ジェレミー・レゲット博士
一方、ジェレミー・レゲット博士はハイランド・リワイルディング社の創設者であり、Carbon Tracker Initiativeの初代会長として知られています。彼は「カーボンバブル」という概念を提唱し、化石燃料資産のリスクを明らかにしました。また、投資家や政策立案者に気候変動リスクを理解させるための活動を行い、英国における太陽光発電の普及にも貢献しています。最近では、スコットランドでの自然回復と地域社会の繁栄を結びつけるプロジェクトを推進しています。
表彰式と今後の活動
両受賞者には、賞状、トロフィー、賞金として50万米ドルが贈られます。表彰式は2025年10月29日に東京會舘で行われ、翌日の10月30日には東京大学、11月1日には京都国際交流会館で受賞者による記念講演会も予定されています。
受賞感想
ロバート・B・ジャクソン教授は受賞の際、「より良い世界の実現に向けて支えてくれた全ての人々に感謝しています」と述べ、環境保護の先駆者たちへの感謝の意を表しました。ジェレミー・レゲット博士は、自身が日本と関わる中で育んできた絆を大切にし、この名誉を涙ぐみながら受け止め、「持続可能な未来を築くための取り組みを加速させたい」との意気込みを語りました。
選考経過
今年の選考には、国内408名、海外828名のノミネーターから146件の候補者が推薦されました。候補者の中には、生態系、気象・地球科学、環境経済・政策など多様な分野からの推薦があり、選考委員会による審査を経て、結果としてジャクソン教授とレゲット博士が選ばれたのです。
壮大な目標と未来への祈り
ブループラネット賞は地球環境の保護が急務であることを再認識させる重要な表彰です。人々の経済活動や日常生活が大自然に影響を及ぼしている中で、受賞者たちの取り組みは未来の希望となります。宇宙飛行士ガガーリンの「地球は青かった」という言葉にちなんで名付けられたこの賞は、私たちがこの青い地球を次世代に引き継ぐための象徴とも言えます。
今後も環境問題に意識を向け、自らできる行動を起こしていくことが求められます。受賞者たちの研究や活動を通じて、多くの人々が地球環境保護に貢献できるようになることが期待されます。