水田のメタン削減と持続可能な農業の未来
Green Carbon株式会社は、株式会社すかいらーくホールディングス、兼松株式会社、ライズみちのく販売株式会社などと協力し、水田由来のメタン削減に取り組んでいます。これにより、カーボンインセットの概念に基づく持続可能な農業の実現を目指しています。今回は、この取組みの詳細と背景をご紹介します。
取組みの背景
水稲栽培に伴うメタンガスの排出は、日本全体の約4割を占めており、それを抑制することが求められています。特に、水田の湛水期間中に、農地の土壌中に存在するメタン生成菌が稲藁や肥料などの有機物を分解する際、多量のメタンが産生されます。これを受けて、農林水産省は、ゼロエミッションの達成に向けた「緑の食料戦略システム」を推進しており、その一環として、中干し期間を通常よりも7日間延長することでメタンを約3割削減できるとしています。
そして、2023年3月には新たな方法論として「水稲栽培による中干し期間の延長」が承認され、Green Carbonを含む事業者が農家と連携し、この削減に向けた取り組みが進められています。今回の取組みは、Green Carbonが米生産において初めて実施するプロジェクトです。
本取組みの詳細
この取組みは、すかいらーくグループのサプライヤーである生産者の協力のもとに実施されており、主に水田の中干しを延長することによって水田メタンの発生を抑制します。その結果、削減された温室効果ガス(GHG)の排出量は、J-クレジット方法論AG-005に基づいてカーボンクレジットとして認証されます。
本取組みで生成されたクレジットは、価格の70%が生産者に還元され、生産された米は「環境配慮米」として流通し、地域の農業と持続可能な環境を両立させる新たなビジネスモデルが形成されています。
未来への展望
Green Carbonは、今回の取組みを成功させることで、米生産におけるカーボンインセットの導入をさらに推進していきます。企業が自社のバリューチェーン内で温室効果ガスの削減・吸収ができる仕組み作りを進めるだけでなく、生産された米を「環境配慮米」として販売促進を図ることで、地域の農業価値向上にも貢献することを目指しています。
これにより、企業の脱炭素化と地域農業の振興が同時に進展することが期待されます。
連携企業の紹介
この取組みには、以下の企業も参画しています。
- - すかいらーくホールディングス:フードサービス分野を中心に事業を展開。
- - 兼松株式会社:多業種にわたる商社機能を持ち、国際的なネットワークを活かす。
- - ライズみちのく販売株式会社:東北地域で米の流通と販売を専門に行う企業。
Green Carbon株式会社は、これらの企業と共に環境負荷を軽減するための新たな取り組みを進めていくとのことです。持続可能な未来に向けて、企業と地域社会が協働しながら地域の農業の価値を高めるためのスキームは今後も重要なテーマになるでしょう。
Green Carbonは、「生命の力で、地球を救う」をビジョンに、自然由来のカーボンクレジットの創出・販売など多岐にわたる事業を展開しています。今後も環境価値創出や持続可能な農業に向けた取り組みに注目していきたいと思います。