課題を抱える企業、カスハラ対策の現状
株式会社シンカが実施した「2025年 カスタマーハラスメント実態調査」によると、約4割の企業が「正当なクレーム」と「カスハラ」の線引きに困難を感じていることが分かりました。特に、企業の経営層と現場の従業員との間で、カスハラ対策や従業員保護に対する認識に大きな乖離が存在することが明らかになりました。
調査背景
最近の労働災害認定基準の改正や、東京都による「カスハラ防止条例」の施行により、企業には従業員保護の強化が求められています。このような背景の中、シンカは顧客対応の現場を支援するため、通話録音や履歴の可視化などのサービスを通じて、より良いコミュニケーション環境を提供しようとしています。
主要な調査結果
調査の結果、カスハラの主な行動として長時間の拘束や繰り返しのクレームが多く報告され、被害者の多くが上司に相談したものの、実際に行動を起こさなかった割合も見られました。そして、カスハラ対策への期待としては、専門部署の設置や録音機器の導入が特に重要視されています。
従業員保護と顧客満足の両立
調査では、従業員保護と顧客満足の両立が難しいと感じる企業が多く、特にガイドラインや専門窓口の設置が必要だという声が多く聞かれました。また、経営層が考える「従業員保護」と、現場が感じる「保護の実態」には20%以上の乖離があるとの結果も出ています。この差を解消するためには、経営層が現場の声を聴き、具体的な対策を講じることが求められます。
正当なクレームとカスハラの線引き
調査では、42.8%の企業が「正当なクレーム」と「カスハラ」の判断基準が未確立である旨を回答しました。これは、多くの企業が明確な基準を持たず、それぞれの判断に任せる状況が影響しています。従業員を守るためには、この基準を明確に設けることが急務です。
シンカの取り組み
シンカの代表取締役社長CEOである江尻高宏氏は、「正当なクレーム」と「カスハラ」の線引きに多くの企業が課題を感じているとし、特に経営層の保護意識が現場に浸透していない現状が深刻であると指摘しています。
「お客様からの貴重な意見は重要ですが、従業員の保護と顧客満足の両立は企業活動において避けられないテーマです。私たちは今後も、円滑なコミュニケーションを育む支援を通じて、安心して働ける社会作りに貢献していきます。」と述べています。
調査概要
本調査はインターネットを通じて行われ、全国の一般企業にお勤めの20~69歳男女519名を対象に実施されました。
調査期間は2025年6月9日から10日までで、過去3年間においてカスハラに関する経験がある方々からのデータを集計しました。
このリリースに関する詳細は、シンカの公式サイトにてご確認いただけます。私たちの取り組みが、企業全体のカスハラ対策の方向性を明確にし、現場の従業員が安心して働ける環境を整備する助けとなることを願っています。