AIとLINEを融合した革靴買取の新たな試み
株式会社ストックラボが運営するリユースブランド「ラストラボ」は、AI技術を活用し、LINEの公式アカウントを通じて革靴の買取プロセスを刷新しています。この取り組みは、査定離脱を減少させ、顧客の購入意欲を高めることを目的としています。
背景と課題
革靴の売却を考える顧客は、様々な要因を考慮に入れる必要があります。ブランドやモデル、サイズ、状態、さらには季節や為替相場、在庫状況など、売却価格は多くの要素に影響されます。このような複雑な判断材料の中で、顧客には適切な情報が求められますが、各ステップでの摩擦が頻繁に発生するのが現実です。
ユーザー側の摩擦
顧客が査定フォームに途中で離脱することや、該当情報の不明確さが原因で入力が進まないことが多々あります。また、集荷や梱包についての不安も、決断を遅らせる要因の一つです。この他にも、参考価格の前提が見えにくく、実際の査定額との乖離が生じることも悩ましい要因です。さらに、さまざまなチャネル間での文脈の断絶も問題で、WebとLINEの履歴がリンクしないことで顧客の手間が増えてしまいます。
運用側の摩擦
運用面でも課題があります。同じ問い合わせに対する重複した対応が増えることで、作業の生産性が圧迫されます。加えて、頻繁な一斉配信が顧客にとってのノイズとなり、逆効果になるケースも少なくありません。また、どのタイミングで、どの情報を誰に発信すべきかといった判断が担当者の経験に委ねられることも多いです。
新たなアプローチ
ラストラボは、これまで「今日の参考価格」などのタイムスタンプ表示や、カテゴリ別のKPIダッシュボードの導入を進めてきました。しかし、価格の透明性だけでは不安感を解消できない局面が残っています。このため、AIとLINEの連携を新たな武器とし、顧客に最適なタイミングで情報を提供する仕組みを構築しました。
LINEの利点
革靴の売却プロセスは即決ではないため、必要な情報を効果的に提供できるLINEを利用することは理にかなっています。手軽に送られる短文のメッセージが、顧客のリスポンスを促す要因になることも期待されています。また、双方向のユーザーインターフェースを活用することで、手間を省きつつ、完結した対応が可能となります。
AIによる行動予測
静的なセグメントでの一斉配信は、情報過多のリスクを孕んでいます。そのため、過去の顧客行動データを分析し、ユーザーの意図を推定。これによって、必要な顧客に適切なタイミングで、必要な情報を短いメッセージとして届けることが目指されています。
ユーザー体験の向上
新しい施策は、査定プロセスにおける顧客ワークフローをスムーズにし、離脱を防ぐことを目指しています。通知からの復帰時間を短縮し、目的に迅速に到達できる設計を心掛けています。また、価格情報には必ずその算出根拠を併記し、顧客が安心して利用できるよう配慮しています。
さらに、顧客の心理的な負担を軽減するため、「次善の提案」を自然に提示し、無理のない選択肢を提供します。これにより、顧客の迷いを未然に解消し、スムーズな取引へと導くことが目指されています。
結論
この新たな施策は、顧客体験の納得感を高めつつ、業務の効率化を図ることを目的としています。ユーザーが「下書き復帰」や「梱包・発送」などの段階で感じる負担を軽減し、透明性のある安心した手続きを実現することで、革靴買取の未来を切り開く取り組みとなることが期待されています。