TOTOグループ、東陶(遼寧)が新工場稼働
2025年5月21日、水曜日。TOTO株式会社のグループ会社である東陶(遼寧)有限公司が、新たに建設した工場で衛生陶器の生産を開始しました。新工場は、中国大陸市場向けに高品質な腰掛便器を供給することを目的とし、2023年3月から工事が進められてきました。
生産効率を追求した最新設備
この新工場では、TOTOグループの海外拠点として初めて導入される「ローラーハースキルン」が特徴です。この窯は、高比剛性セラミックでできたローラーが製品を自動搬送しながら焼成するため、生産効率とエネルギー効率の面で非常に優れています。腰掛便器の生産に特化した設備となっており、環境にも配慮されています。
さらに、東陶(遼寧)の生産能力は年に約265万ピースに達し、将来的な需要にも応えられる体制が整えられています。この能力は、中国大陸市場における衛生陶器の供給において、重要な役割を果たすでしょう。
中国大陸市場での戦略
TOTOは、中国市場で40年の歴史を持ち、地元の政府やパートナー企業と連携しながら、ブランドの地位を築いてきました。しかし、近年の急速な市場変化により、業績の悪化が見られました。このため、TOTOは構造改革に着手し、必要な生産拠点を集約することを決定。2025年4月には他の生産施設での衛生陶器生産を停止し、東陶(遼寧)と東陶(福建)の2つの拠点体制での効率的な生産運営にシフトしました。
環境へ配慮した生産プロセス
東陶(遼寧)および東陶(福建)で使用される最新の高断熱窯では、エネルギー効率が大幅に向上しています。従来の焼成方式に比べ、CO2排出量を削減できる仕組みが導入され、環境問題への配慮がなされています。また、製品には2次元コードを用いた個体識別システムが取り入れられており、製造プロセスの透明性を確保しています。
さらに、衛生陶器の生産には多くの水が使用されるため、RO膜による水再利用システムも導入されており、工場の持続可能性向上に寄与しています。これにより、排水の削減も実現されています。
今後の展望
TOTOは、今後も「きれいと快適・健康」「環境」を大切にし、持続可能な製品を提供することに邁進します。新たな生産拠点での稼働を通じて、より良い暮らしを実現し、地域のニーズに応える企業であり続けることを目指します。中国市場におけるTOTOブランドは、引き続き強化されていくことでしょう。
東陶(遼寧)の新工場は、そのスタートを切りました。この挑戦が、未来の衛生陶器生産にどのような影響を与えるのか、注目が集まります。