AIを導入した都城市の要介護認定調査業務改善の取り組み
都城市におけるAI活用の実証実験
令和5年8月、都城市は東京都渋谷区に本社を置く株式会社グラファーと連携し、要介護認定調査業務の効率化を図るための実証実験を開始しました。この実験は「都城AX(AIトランスフォーメーション)推進宣言」という一連の施策の一環であり、市民サービスの向上を目指した具体的な取り組みです。
1.都城AX推進宣言の背景と目的
都城市は、デジタル化を推進する中で特にAI技術を重要視し、その中心に据えるために「都城AX推進宣言」を発表しました。これはAIによる市民サービスの向上を掲げ、AIの活用を単なる目的にするのではなく、業務プロセスの根本的な見直しを図る姿勢を明確に示しています。特に、要介護認定調査に関しては、利用者が申請を行ってから30日以内に結果を通知することが法律で定められています。しかし、認定調査を担当する職員にとっては、調査票の作成から審査に至るまで多くの労力が求められ、結果的に通知が遅れるという社会的な問題になっています。
調査員は、対象者とのやり取りや状態の観察に集中しつつ、日々異なる生活状況を複雑なルールに忠実に取り入れて書面にまとめなければならないという高い負担がかかります。これが結果として、デジタル入力への移行を困難にし、多くの場合は紙にメモを取り、後で清書するという非効率な方法を生んでいます。さらに、調査票の提出後に修正作業が発生することもあり、業務の流れが滞る要因となっています。
このような課題を解決するために、都城市はグラファーと協力し、現状の運用を変えずにAIの技術を導入することにしました。
2.実証実験の詳細
実証実験は令和5年8月から開始され、認定調査員の中から最大で15名が参加しています。調査員は訪問調査の際、手書きで専用の用紙にメモを取り、その後、帰所後にOCR技術を活用して記入した内容をシステムで読み込み、AIが特記事項を自動生成します。このプロセスにより、認定調査員は書類作成の手間から解放され、AIの生成したドラフトを確認・修正するだけで調査票を完成させることができます。
特に、この「Graffer 認定調査票作成」のサービスは、現場での紙メモを活かしつつ、AIが認定調査票の作成や点検を手助けしてくれます。国が定めた調査項目に沿った専用用紙にメモを記入することで、AIが関連するルールに基づいて特記事項を自動生成してくれるため、調査員の業務が大幅に効率化されます。また、AIによる論理的整合性チェックが行われることにより、不備のない調査票が作成でき、職員は時間を短縮しながら審査業務に集中することが可能になります。
3.効果の検証と今後の展望
実証実験では、調査依頼から調査票提出までの所要時間の短縮や、必要工数の削減効果を測定します。令和5年8月に研修が実施された後、認定調査員はAIを活用した業務に取り組み、9月末には実証実験が終了する予定です。この取り組みの成果をもとに、都城市は今後もAX推進宣言に掲げた3つの柱に基づき、AIをはじめとするデジタル技術をさらに活用し、市民サービスの向上や行政運営の効率化に努めていく方針です。
都城市のAI並びにデジタル技術の導入は、今後の行政サービスの進化を大いに期待させるものです。
会社情報
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