親世代の防災意識、理想と現実のギャップ
防災月間である9月は、毎年多くの台風や豪雨が発生する時期でもあります。この時期には、防災意識を高める方法について考える良い機会です。最近のパナソニック株式会社による意識調査によれば、50代・60代の約9割が自然災害への備えが必要だと感じている一方で、実際に備えを行っていると答えたのは3割以下というギャップが見られました。
知識と行動の乖離
この調査結果は、親世代が過去の災害や被害を受けた経験から「備えの必要性」を十分に理解しているものの、実際に行動に移すことができていない状況を示唆しています。防災グッズや非常食については多くのものを確保したいと考えているものの、いざ自分自身の備えが後回しになることもあるようです。
辻直美さんが指摘するように、「自分のことよりもまず家族」という意識が根強い世代であるため、親自身の備えよりも家族の安全を優先してしまうのです。この傾向は、親子間での認識のズレを生む要因ともなっています。
親と子の意識のズレ
50代・60代の親世代が防災対策ができていると感じている割合は3割以下ですが、子世代である20代・30代は、親がしっかりと備えをしていると考える比率が4~5割に達します。この意識のずれは、親が身近にいない顕著な事例でもあります。
また、子世代は防災対策について話し合う機会を持つことが少ないため、これが意識のギャップをさらに助長しています。親の考えや状況を正確に把握するためには、定期的にコミュニケーションを取ることが重要です。
具体的なコミュニケーションのポイント
辻さんは、離れた場所に住む親とのコミュニケーションが特に重要だと強調します。「お互いの備えについて話し合って理解を深めることが最も重要」とのこと。例えば、以下のようなトピックについて話し合うことが有益です。
- - 非常食の備蓄状況
- - 避難所の場所
- - 灯り(懐中電灯やランタン)の有無
- - ローリングストック(消費と補充のサイクル)
- - 家具の転倒防止策
これらのポイントを話題にすることで、備えに対するアイデアや対策についての会話が生まれ、認識のすり合わせが行われるでしょう。たとえば、「お父さん、お母さん、災害対策はどうなっている?」と尋ねるだけでも、親に安心感を与え、家庭全体の防災意識を高めることにもつながります。
防災月間を機に行動に移す
9月14日(土)には、TOKYO FMをはじめとするJFN38局で放送される『ONE MORNING 防災特別番組 わたしと家族の守りかた』が予定されています。この番組では、辻直美さんがゲストとして登場し、防災対策についての有益な情報を提供してくれます。家族でこの番組を共有し、どのように対策を進めるべきか考える良い機会です。
防災は、家族の命を守るための大事な備えです。この秋、防災意識を再確認し、行動に移してみてはいかがでしょうか。必要な知識を身につけ、実際に行動に移すことで、誰もが安全な生活を持続できる社会を目指していきましょう。