沖縄県読谷村とGodotが行動科学協定を締結、地域活性化を目指す

株式会社Godotが、沖縄県読谷村と「行動科学を活用した政策推進に関する包括連携協定」を締結したというニュースが、地域の活性化に向けた新たな一歩を示しています。この協定は、2025年2月21日に成立し、特に村民本位の政策の推進や、役場内での行動科学の活用を強化することが狙いです。

行動科学を基にした村民本位の政策推進

今回の協定の柱は、村民に寄り添った政策の推進、役場の業務改善、そして市民科学の基盤作りの三点です。これまで、Godotは2021年度から読谷村役場と連携し、行動科学を用いた健康関連施策を支援してきました。いわゆる行動公共政策の推進であり、具体的には特定健康診査の受診率向上事業という取り組みが顕著な成果を上げています。

特に、最近においても、読谷村の特定健康診査の受診率は目を見張る改善を遂げています。2021年度の受診率最下位から、2022年度には沖縄県内での受診率向上で最高の実績（7.8％ポイント増）を記録し、2023年度も引き続き2位という素晴らしい結果を残しました。これには村役場職員の皆さんの努力と、Godotの支援が大きく寄与しています。

より包括的な行動科学の活用

協定締結の背景には、ただ健康分野に留まらず、環境問題やデジタルトランスフォーメーション、業務効率化といった広範な分野においても行動科学を活用したいという読谷村役場の熱意があります。具体的な取り組みとして、行動デザインチームの設立が明言されており、これによって様々な分野での新しい施策を実施していくことが期待されています。

読谷村の特性と行動科学の利活用

読谷村は沖縄本島の中部に位置する、約4万人が住む日本一の人口を持つ村です。青い海、白砂のビーチ、歴史的な名所である座喜味城跡を有し、観光地としても注目されています。村の「ゆたさむらビジョン」に基づいた持続可能な村づくりも行われており、地域の未来を描く施策に力を入れています。

このビジョンでは、環境、経済、文化のバランスを重要視しながら、特に子育て支援や観光振興、伝統文化の継承に注力しています。住民主体のまちづくりを提案し、共創型の政策を展開することで、住みやすい地域を実現しようとしています。

AI技術の活用

行動科学の専門知識を一般の職員でも扱えるようにするために、GodotはAIプロダクトの開発を進めています。このプロダクトは、科学的根拠に基づいた施策を迅速に実施可能にし、読谷村での現場テストを通じて、さらなる改良が期待されています。さらに、オーストリアの「アルス・エレクトロニカ・フューチャーラボ」との連携によって、市民科学の基盤作りが進められることも注目です。

締結式及び研修会の雰囲気

協定締結式や行動科学研修会では、これからどのように協力し合って地域の課題解決に取り組んでいくか具体的なビジョンが議論され、参加者からも期待の声が多く寄せられました。両者の信頼関係構築が、今後の施策において重要な要素となります。神戸市を拠点とするGodotが、沖縄の自然と文化が絡む営みの中でどのように実証実験を展開し、地域活性化に寄与できるかが注目されます。これからの展開が、一層楽しみです。