2024年7月の全国賃貸マンション市場に関する調査結果が、株式会社いえらぶGROUPによって発表されました。この調査は、不動産業者間流通プラットフォーム「いえらぶBB」のデータを用いており、2023年7月と2024年7月の比較が行われています。
東京都の賃料上昇
結果として、東京都は全ての物件タイプにおいて前年比で賃料が上昇した唯一の地域です。特に、シングルタイプは114.0%、カップルタイプは125.1%、ファミリータイプは130.0%、大型ファミリータイプでも112.5%の上昇を記録しています。このような高い上昇率は、特に都市部への需要が続いていることを反映しています。特に新宿区と千代田区はそれぞれ126.3%と120.7%という顕著な増加を見せており、これにより東京都内の賃貸市場が依然として強いことが証明されました。
近畿エリアの課題
一方で、全国平均を見てみると、シングル向け賃料に関しては全国的に減少が見られ、その中でも近畿エリアが最も大きな減少を記録しています。具体的には前年比で90.4%となり、他の地域と比べて特に苦戦していることが浮き彫りになりました。この減少は、様々な要因が考えられるものの、単身者や若年層の人口流出が影響している可能性があります。
物件タイプ別賃料の動向
物件タイプ別の動向を見れば、シングル向け賃料の上昇率は、徳島県が116.3%で最も高いことが確認されました。東京都に続く形で、富山県(113.2%)や石川県(108.7%)も高い上昇率を示しています。また、石川県はカップルタイプやファミリータイプでも高い成績を収めており、特に賃貸市場が活発であることが分かります。
調査の詳細
今回の調査は、2023年7月1日から2023年7月31日、そして2024年7月1日から2024年7月31日までのデータを基に行われました。株式会社いえらぶGROUPが集めたデータは、約90万件に上り、物件データの抽出と集計がランダムに実施されています。これにより、賃貸市場の動向をより正確に把握することが可能になっています。
まとめ
東京都の賃貸市場は安定した成長を続けている一方で、近畿エリアは厳しい状況に直面しています。その背景には、都市部への人口集中や経済の変動が影響していると考えられます。今後の賃貸市場がどのように変化していくのか、引き続き注目が必要です。