タイのカカオ産業と日本市場が手を結ぶ新たな提携
フーズカカオ株式会社は、東南アジアにおけるカカオ開発を進める中で、タイ王国に拠点を置くThai Coffee and Cocoa Companyと業務提携を結びました。この提携により、タイ産の高品質カカオ豆が日本市場に橋渡しされることが期待されています。
タイのカカオ産業の現状と成長の可能性
タイはこれまでカカオ生産国としての認知度が低かったものの、現在は急速にその地位を向上させつつあります。世界全体のカカオ豆生産量は458万トンに対し、タイの生産量は約1,000トンと、全体の0.02%に過ぎません。しかし、近年は高品質でサステナブルな素材への需要が急増しており、タイはそのボトルネックを解消し、より多くのカカオ豆を供給できる可能性を秘めています。
フーズカカオは、農園開発とお菓子開発の二軸で活動しており、今回の提携を通じてタイ産の高品質なカカオ豆を日本に輸入する計画を実現させることが狙いとなっています。
提携に向けた取り組み
Thai Coffee and Cocoa社は、タイ全土のカカオ生産者に対して苗の提供や栽培のトレーニングを行い、カカオ生産者のコミュニティを形成しています。また、そのコミュニティで生産されたカカオは、同社の手により集積、発酵、そして輸出されるプロセスが確立されています。
一方、フーズカカオは発酵に関するデータとノウハウを提供し、日本市場のニーズを加味した高品質なカカオの輸入をサポートします。さらに、この発酵プロセスにおいては、フーズカカオが開発中のIoTデバイスを導入することも計画されているとのことです。
急成長を促す背景
タイ北部では、タイ王室が運営するメーファールアン財団によって、麻薬作物の代わりとなる高付加価値農産物としてコーヒーが生産されるようになりました。これにより高品質なカカオの栽培も進められています。Thai Coffee and Cocoa社の代表であるパトム氏は、この高品質な生産に向けた中心的な役割を担っており、良質な農産物を生産するための技術を活用しています。
また、バンコクのような成熟した消費市場が存在することで、高品質な素材を求める文化が根付いており、今後のカカオとチョコレート文化の発展は急速に進むことが見込まれます。
フーズカカオが見たタイの現状
フーズカカオの代表は、2017年から何度もタイを訪問し、偶然にも整備されたカカオ農園に感動した様子を語ります。彼らは高品質なチョコレート市場向けに生産を行い、衛生的な管理下で、児童労働や薬害の心配もない環境を整えつつあります。
パトム氏はネスレでの生産経験を背景に高品質な生産の重要性を理解しており、その考えはフーズカカオの理念とも一致しています。彼らと共にタイと日本間のカカオ文化を深めていこうという姿勢が強くなっていると言われています。
未来への歩み
フーズカカオは、カカオ農園とチョコレート業界をより密接に結びつけ、日本のチョコレート文化に寄与するための活動を続けていく意向を示しています。今後もタイのカカオ産業の発展と日本市場との連携をさらに強化し、多くの人々に喜ばれるチョコレートを提供していくことでしょう。
詳しい情報やカカオ豆の無償サンプルの予約は、公式ウェブサイトから申し込み可能です。
プロジェクトは今後の発展に目を向けており、両国を繋ぐ架け橋としての役割を果たすことが期待されています。