ペロブスカイト太陽電池の実証実験開始! サービスステーション屋根やタンク壁面に設置へ
2050年カーボンニュートラル実現に向け、再生可能エネルギー(再エネ)の導入拡大が求められる中、コスモ石油株式会社、積水化学工業株式会社、朝日エティック株式会社の3社は、フィルム型ペロブスカイト太陽電池をサービスステーション屋根および事業所のタンク壁面に設置する共同実証実験を開始しました。
従来のシリコン系太陽電池は設置場所が限られるという課題がありましたが、フィルム型ペロブスカイト太陽電池は軽量で柔軟性があり、設置場所を選ばないことが大きな特徴です。そのため、再エネ導入の拡大を加速させる有力な選択肢として期待されています。
今回の実証実験では、積水化学が製造するフィルム型ペロブスカイト太陽電池を、朝日エティックの設置・施工技術を用いて、コスモ石油グループが運営するサービスステーション屋根や事業所のタンク壁面などに設置し、その有効性を検証します。
実証実験の内容
① タンク壁面設置を想定した実証実験
設置場所:コスモ石油中央研究所のタンク壁面
実証期間:2024年7月より1年間を予定
実証内容:事業所のタンク壁面を想定した、垂直曲面設備への設置・施工方法の検証と発電データの測定
② サービスステーション屋根設置を想定した実証実験
設置場所:朝日エティック東京工場のモデルサービスステーション屋根
実証期間:2024年7月より1年間を予定
実証内容:サービスステーション屋根を想定した、耐荷重の小さい屋根への設置・施工方法の検証と発電データの測定
各社の取り組み
コスモエネルギーグループ
「2050年カーボンネットゼロ」を宣言し、再エネ発電容量の拡大に取り組んでいます。本実証実験を通じて、グリーン電力サプライチェーンの強化を目指し、2050年カーボンネットゼロの実現に貢献していきます。
積水化学
独自の技術を活かし、フィルム型ペロブスカイト太陽電池開発の屋外耐久性において10年相当を確認。30cm幅のロール・ツー・ロール製造プロセスを構築し、発電効率15.0%のフィルム型ペロブスカイト太陽電池の製造に成功しました。さらなる耐久性や発電効率の向上を目指し、開発を加速させています。
朝日エティック
70年に渡る給油所等ロードサイド店舗の建設・看板・電気・塗装・設備のノウハウを活かし、本実証実験を始め省エネルギー化と再生エネルギー利用に関する取り組みに貢献していきます。
まとめ
今回の実証実験は、ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた重要な一歩です。実証実験を通じて得られた成果を基に、全国のサービスステーションや事業所への導入を促進することで、再生可能エネルギーの普及拡大に貢献していくことが期待されます。