進化する自動車技術
株式会社モルフォが新たに導入した技術『Morpho Distance Scanner(モルフォ・ディスタンス・スキャナー)』は、わずか一台のRGBカメラを活用して、距離推定を行う画期的なソリューションです。これにより、多くの先進運転支援システム(ADAS)や自動運転技術の導入が一段と容易になります。
技術の概要
この技術の最大の特長は、従来必要とされていた高価なLiDARやステレオカメラ、ミリ波レーダーなどのセンサーを必要とせず、既存の車載カメラをそのまま使用できる点にあります。これにより、ハードウェアの追加コストを抑えつつ、高機能な距離推定機能を実現しました。OEM(元製造業者)やTier1サプライヤーにとっても、スムーズに実装できる即戦力です。
特に、自動運転機能の向上が求められる現在の自動車市場において、柔軟な設計が可能であることは重要であり、『Morpho Distance Scanner』はそのニーズに応えています。
開発の背景と目的
近年、自動運転技術やADASの高度化に伴い、自動車に装備するセンサーの数は増加しています。それに伴い、正確な距離推定が求められるようになりました。しかし、従来の技術はコストが高く、中価格帯以下の車両に搭載することが難しい現状がありました。そこで、モルフォはRGBカメラのみで動作する距離推定ソフトウェアを開発し、車両設計の自由度を損なうことなく、高コストパフォーマンスを実現することに成功しました。
特長
1.
RGBカメラの活用
『Morpho Distance Scanner』は、RGBカメラで撮影した画像から距離を算出します。この機能により、従来の距離推定技術を代替えし、安全性を高めることが可能です。
2.
設置自由度が高い
カメラの取り付け位置や角度に厳密な調整が不要で、設置が容易となります。これにより、様々な車種に対応可能です。
3.
リアルタイム処理
最大30fpsでの推論が可能で、自動車に最適なリアルタイム処理が行えます。
精度評価
高精度モデルと高速モデルの2種類が用意され、異なる使用状況に応じて選択できます。精度評価は、近距離(1-4m)及び中長距離(5-30m)のデータセットを使用して実施され、相対誤差の平均はそれぞれ3.8%及び5.5%という高精度を達成しました。このことからも、実用面での信頼性が高いことがわかります。
今後の展望
今後は自動車分野に留まらず、スマートフォンアプリやロボティクス、監視カメラなど様々な分野への適応を考えており、距離推定技術を活用した新たな価値の創造を目指します。モルフォは、技術の向上を重ね、安全性と利便性を高める社会インフラの一部となるべく、さらなる進化を続けていく所存です。
モルフォの概要
モルフォは2004年に設立され、画像処理およびAI技術の研究開発を行う企業です。国内外での展開を通じ、様々な業界に革新をもたらす技術を提供しています。詳しい情報は公式サイトを参照してください。