レバノンの危機支援、ユニセフが200万人に医療物資を提供

レバノンの危機とユニセフの支援

2024年10月、レバノンでの紛争が急速に悪化している中、ユニセフ（国連児童基金）は約200万人に及ぶ影響を受けた人々に向けて、167トンの保健医療物資を提供することを発表しました。特に女性や子どもへの支援が強調されています。

ユニセフの最新のプレスリリースによると、同機関は陸路と空路を利用し、過去3日間で67トンの医療物資を輸送しました。この医療資材は、紛争による医療支援を必要とする人々が増加している現状を受け、地元の保健医療チームのリソースを強化するために使用されます。レバノン保健省によれば、今年に入ってからすでに2,083人が命を落としており、その内127人が子どもでした。多くの犠牲者はここ最近で報告されています。

この67トンの物資の中には、特に病院での負傷者治療に不可欠な緊急医療キットや医薬品、妊娠中の女性が安全に出産するための産科・助産キット、急性疾患に対応する医薬品が含まれています。また、救急サービスを支援するための応急セットも備えています。ユニセフ・レバノン事務所のエドゥアルド・ベイグベデル代表は、現地の病院が患者数の急増という重圧に苦しんでいると述べ、さらなる物資の必要性を訴えました。

ユニセフは、国際社会に対して支援の強化を呼び掛けており、特に子どもたちの保護を求めています。支援物資はレバノン国内の公立病院や保健機関、移動式チームに配布されます。さらに、ユニセフは9月23日以降、135トンの緊急支援物資も配布しており、避難所にいる約6万人の国内避難民に向けた支援も行っています。

その支援の中には、約45万リットルの水、2万2,000枚の毛布、6,000枚のマットレス、2万6,000セットの家庭用衛生用品キット、1万2,000セットの女性と女子向けの衛生用品が含まれています。さらに、医療面だけでなくメンタルヘルスや心理社会的な支援も避難所で実施されています。

ユニセフは今後も、急を要する物資供給のルートを確保し、支援を迅速に必要なところへ届けることを目指しています。また、全ての関係者に対し、国際人道法を尊重し、民間人やインフラを守ることを強く求めています。これは、支援活動が必要とされている人々に安全に届くために欠かせないことです。

ユニセフの活動とは？

ユニセフは、世界中ですべての子どもに平等な権利を保障し、健やかな成長を促進する活動を行っています。190を超える国と地域で、地元のパートナーと共同し、「最も困難な状況にある子どもたち」を特に重視して支援しています。そのための活動資金は、個人、企業、政府からの寄付で賄われています。ユニセフの取り組みは、命を守るための重要な役割を果たしています。

レバノンの状況は日々厳しさを増していますが、ユニセフの支援を通じて少しでも多くの命が救われることを願います。