新たな学びの形を提案する嘉麻市稲築東義務教育学校の魅力
近年、教育のあり方が見直され、「新しい時代の学び」が叫ばれる中、福岡県嘉麻市において新たに設立された「稲築東義務教育学校」が注目を集めています。この学校は、子どもたちが環境に親しみながら学び、成長することを視野に入れた設計がされています。
1. キッズデザイン賞の受賞
この学校は、子どもやその家族に配慮した優れたデザインを表彰する「キッズデザイン賞」を受賞しています。この顕彰制度は、製品、サービス、空間、活動など、子どもに関連するすべてのものを対象としています。そこには、学校の設計や機能がいかに子どもたちの成長に寄与するかが反映されています。
2. 小中一貫教育の新しい形
稲築東義務教育学校は、2016年に制度化された義務教育の一環として、小学校から中学校までの教育を一貫して行う小中一貫校です。校長と一つの教職員組織が運営を行うため、柔軟な教育環境を提供することが可能です。
2.1 教育環境の中心に「メディアコモンズ」
学校の中心には「メディアコモンズ」と名付けられた吹抜け空間が設けられ、これは図書スペースであり、学習の場であると同時に、発表の場ともなっています。この共用部は子どもたちが多様な活動を通じて交流できる場としても機能します。
2.2 学生参加型の学校づくり
さらに、稲築東義務教育学校では、サイン製作に子どもたちが関わるという新しい試みも行われています。サインは学年ごとに更新される仕組みになっており、子どもたちがこの学校の伝統を自ら築いていくことが期待されています。
3. 優れた設計と建築技術
この学校は、様々な専門家が連携し、短期間で設計・施工を行う「デザインビルド」方式が採用されています。建築主は福岡県嘉麻市で、設計は久米設計が担当しました。施工は、鴻池・平嶋JVによる建築、日比谷総合設備による空調・排水、三栄電気工業による電気が協力して行われました。
3.1 建物の概要
稲築東義務教育学校は、延床面積12,085.79㎡の地上3階建ての施設で、RC造と一部S造の構造を持っています。竣工予定は2024年の6月とされており、すでにさまざまな賞を受賞しています。
4. 未来の教育を見据えた取り組み
この義務教育学校の設計は、単なる建物でなく、子どもたちの心身の成長を支える「ひとづくりの場」を目指しています。多様な生活・学習環境を整備し、異学年交流を促す工夫がなされています。
4.1 学習空間の革新
特に廊下のない校舎構成は、学校の中心に共用空間を作ることを意図しており、図書室を核にした新たな学びの環境の創出が期待されています。このように、稲築東義務教育学校は未来の教育を見据えた取り組みを強化しています。
5. 地域と共に成長する学校
また、学校は地域とのつながりを大事にし、地域の人々や文化、教育に携わる全ての人たちと協力しながら、さらなる成長を目指しています。このような取り組みは、地域貢献にもつながり、子どもたちが学びながら社会に貢献できる機会を提供します。
まとめ
嘉麻市稲築東義務教育学校は、子どもたちの未来を形作る新たな学びの場として、教育の現場に革新をもたらしています。高い設計理念と地域との連携を活かしながら、子どもたちが自らの成長を感じられる場を提供するこの学校の取り組みには、今後も注目が集まるでしょう。