旅と認知症の未来
2026-08-03 12:32:04

認知症と共に旅を楽しむ新たなる社会の実現を目指して

認知症と共に旅を楽しむ新たなる社会の実現を目指して



京都府の京丹後市に位置する株式会社小谷常が、認知症の人も旅を楽しめる社会を目指し、「認知症にもやさしい宿」プロジェクトを立ち上げました。この取り組みは、医療・介護・福祉など様々な分野の専門家が集まり、実際の宿泊施設を通じて認知症の人が社会で自立する道を探るものです。

多職種連携によるプロジェクトのスタート



このプロジェクトのキックオフ合宿には、京都府立医科大学の教授、精神科医、地域の医療施設の院長ら、主に23名の専門家と当事者が参加しました。この合宿は、令和8年に開催される日本老年行動科学会に向けたプレイベントとしても位置付けられています。

合宿では、認知症の人が旅や仕事をあきらめる必要がない社会を実現するための取り組みが話し合われ、学び合いの場となりました。小谷常が運営するレイクサイド琴引をフィールドに、実績をもとにした多職種での連携が進められています。

超高齢社会における認知症の新しい視点



日本では2025年までに高齢者の約5人に1人が認知症にかかると見込まれています。多くの人が「認知症になったら旅行をあきらめる」と考えてしまう現状がありますが、小谷常はそうした考えを変えたいと考えています。認知症の人も人間としての価値は失われることはなく、安心して旅を楽しむことができるよう、旅館がその場所を提供するのです。

実践を通じて認識の変化を促進



小谷常で働く仲居さんは79歳で、今でも活躍を続けています。彼女の働きは、観光客との交流や地域とのつながりを強化し、認知症に関連するポジティブな視点を生み出しています。小谷奈穂社長は、働くことの意義は単なる収入確保だけでなく、社会との絆や健康、そして尊厳を支える大切な要素であることを実感しています。

スタッフも認知症の旅行者に特別な配慮をするのではなく、自然体で対応できるようになってきており、そうした環境づくりが「認知症にもやさしい宿」の原点です。また、この取り組みは、長く働き続けられる職場づくりにも貢献しています。

大学との連携でさらなる発展を



プロジェクトを推進している小谷奈穂社長は、京都府立医科大学大学院で認知症を持つ高齢者の就労についての研究を行っています。また、一般社団法人KYOTANGO THREAD CARAVANとして、医療的需要を抱える子どもたちや家族向けの旅行支援にも取り組んでいます。

今後、このプロジェクトの成果は、令和8年10月に京都府立医科大学で開催される「日本老年行動科学会」で発表される予定です。これは、地域に根ざした新たな社会モデルとして大きな一歩を踏み出す場となるのです。

最終的には、認知症の人が積極的に地域に参加し、社会とのつながりを持ちながら安心して生活できる環境を構築することを目指しています。これからの旅館業が、地域共生の拠点としてどのように変化していくのか、注目が集まります。


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会社情報

会社名
株式会社小谷常
住所
京都府京丹後市網野町小浜912
電話番号

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