水泳界の革新：不公平を乗り越え、共生社会を目指す

水泳は本来、皆が平等に楽しむことのできるスポーツです。その水の豊かさをユーザーが感じることは、自然との一体感を生み出します。しかし、現実には「障害者水泳」や「パラ水泳」という言葉が示すように、障害のある人たちとない人たちの間に壁が存在します。この壁を乗り越え、全ての人が水泳の良さを享受できる社会を目指す取り組みが重要です。

日本においては、2014年に障害者の権利を保護する「障害者権利条約」が批准され、障害を持つ人々が社会で平等に活動できる環境を整備する努力が進められています。しかし、2022年8月に国連の権利委員会が行った審査では、日本における障害者の権利の確保に関して多くの改善が求められました。このような外部の指摘は、私たちがより良い未来に向けて取り組むべき課題を浮き彫りにしています。

特に水泳の分野では、障害の有無で練習環境が異なり、合理的な配慮がなされないケースが多いのが現状です。これは、障害を持つ選手たちが「水泳」という素晴らしいスポーツを十分に楽しむことを妨げています。そのため、練習施設のバリアフリー化や、使用するスポーツ道具の多様性を確保するための取り組みが急務です。

私たちは、次回の審査が行われる2028年に向けて、ウェルビーイングや共生社会を実現するための「水泳界」の形成を目指しています。これは、単にスポーツとしての水泳を越えて、人生の一部として多くの人に水泳を愛してもらうための道筋を描くことでもあります。

皆が同じ「水」の中で自由に動くことができる未来を創造するために、私たちの活動は広がっていきます。一般社団法人日本障がい者スイミング協会は、多くの課題に取り組みながら、全ての人が水泳を通じて共生できる社会を実現することを目指しています。水泳は、確かに多くの可能性を秘めたスポーツであり、これからの日本の水泳界はその変革を通じて、より豊かなものになっていくことでしょう。

水泳を通じてすべての人々が満ち足りた人生を送れるよう、今後も多くの取り組みが行われることが期待されます。私たちの活動へのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。