西周の再評価
2019-06-28 23:18:12
西周の偉業を再評価!新刊書籍が明治の思想を紐解く
明治時代にひっそりとその功績が埋もれていた偉人、西周(にし・あまね)。彼は多面的な人物であり、その生涯は幕末から明治にかけての日本の歴史を映し出しています。西周の名は、福澤諭吉や森有礼などと一緒に挙げられることが多いですが、その影響力は決して彼らに劣るものではありません。
西周は1829年に生まれ、津和野藩の御典医の家系に生まれました。幼少期から洋学に興味を持ち、藩校である養老館で学びながら、脱藩してオランダ留学を果たします。その後、徳川慶喜の側近として仕官し、大政奉還後は沼津兵学校の頭取として新政府に仕官しました。だが彼の業績はこれだけに留まらず、近代日本の根幹を築く重要な役割を果たしました。
何より西周が特筆すべき点は、言葉に関する貢献です。彼は「哲学」という言葉の訳語を生み出し、多くの学術用語を日本に導入しました。これにより、日本の思想界における基盤が確立され、哲学の普及に寄与したのです。彼の哲学的な考察や翻訳活動は、現代においても多大な影響を与えています。
今年、堀之内出版と慶應義塾大学出版会から同時刊行される書籍が話題となっています。1冊は西周の功績を紹介する入門書『西周と「哲学」の誕生』、もう1冊は彼の著作を現代語訳した『西周現代語訳セレクション』です。これらの書籍は、彼の思想や実践について深く知ることができる内容になっており、彼の偉業を現代に生かすための手助けとなるでしょう。
特に『西周と「哲学」の誕生』では、哲学に取り組んだ背景や新しい日本語を求めた彼の挑戦が描かれています。また、彼の思想の発展を追いながら、西周の魅力が明らかにされる章立ても 整理されています。
『西周現代語訳セレクション』では、彼の代表的な著作が精選されて掲載されています。特に「百一新論」など、西周ならではの視点で哲学と向き合った内容が、今の時代だからこそ再評価されるべき重要な文献として位置付けられています。
これらの新刊は、日々変化する社会情勢や現代の危機を考えるための貴重な資料となることでしょう。西周の知的格闘は、明治の歴史を理解する手助けとなり、読者に新たな視点を与えるはずです。
彼の生涯と思想は、単なる歴史の一ページとしてではなく、今を生きる私たちにとっても重要なメッセージを伝え続けています。これからの時代にあり方を示す、貴重な資料として多くの人々に読まれることを期待しています。
西周とは、幕末から明治時代に活躍した思想家であり、哲学に深く関わった人物。この新刊書籍の刊行を通じて、彼の偉業を改めて知り、明治期の日本を再捉する機会を提供されることを多くの人に体感してほしいと思います。
会社情報
- 会社名
-
株式会社堀之内出版
- 住所
- 東京都八王子市堀之内3-10-12フォーリア23 206
- 電話番号
-
042-682-4350