原燃の設備点検DX
2024-07-09 10:45:19

日本原燃が iPad とローコード開発で設備点検をデジタル化 - 再処理工場の安全稼働を支える革新

原子力施設の点検業務を革新!日本原燃が iPad とローコード開発で実現したデジタル化



青森県六ヶ所村に拠点を置く日本原燃株式会社は、原子燃料サイクル事業を展開する重要な企業です。同社が運営する再処理工場では、日々、膨大な量の設備点検が行われており、その記録は従来、紙ベースで行われていました。しかし、紙ベースの記録には、様々な課題がありました。

紙ベースの記録が抱える課題

点検項目数が多く、1回の点検で使用する紙が大量になり、管理が大変だった。
放射性物質が付着していないか、点検後に一枚ずつ検査する必要があり、時間と労力を要した。
記録された紙は書庫に保管されるだけで、データの有効活用が難しかった。

これらの課題を解決するため、日本原燃は iPad とローコード開発プラットフォーム「Claris FileMaker」を導入し、点検記録のデジタル化に着手しました。

ローコード開発プラットフォーム「Claris FileMaker」とは?

Claris FileMaker は、プログラミング知識がなくても、誰でも簡単にアプリケーションを作成できるローコード開発プラットフォームです。直感的な操作で、データベース、フォーム、レポートなどを構築することができます。

導入効果:業務効率化と安全性の向上

iPad と Claris FileMaker の導入により、日本原燃は下記の効果を実現しました。

点検記録の効率化とデータ分析
- 従来、紙ベースで行っていた点検記録を iPad 上でデジタル化することで、記録作業の効率化を実現しました。
- デジタル化された点検データは、蓄積・分析が可能になり、設備の安全稼働に役立てられます。
オフライン環境での利用
- 再処理工場の建物は、安全対策として厚いコンクリート壁で覆われているため、電波が届きにくい環境です。Claris FileMaker は、オフラインでも利用できるため、このような環境でも問題なく点検記録を行うことができます。
設備の状態変化を共有
- iPad で撮影した写真や音声データを共有することで、現場の状況をリアルタイムに把握できます。
- ベテラン社員だけでなく、若手社員も設備の状態変化に気づくことができ、安全性の向上に貢献します。
* 放射性汚染物質のリスク低減
- 紙ベースの記録から iPad への移行により、放射性物質が付着した紙の検査が不要になり、放射性汚染物質が外部に出るリスクを大幅に低減しました。

柔軟な開発体制

日本原燃では、Claris FileMaker を活用し、点検記録システムだけでなく、脱硝施設の運転管理システムなども内製開発しています。さらに、Claris Platinum パートナーである株式会社ジュッポーワークスと連携し、作業・隔離管理システム、ガラス固化管理システム、通報文システムなどのシステム開発も進めています。

今後の展望

日本原燃は、今後も設備環境の変化や現場のニーズに合わせて、Claris FileMaker を活用したシステム開発を進めていく予定です。安全性の向上と業務効率化をさらに追求し、安定した電力供給に貢献していきます。

Claris FileMaker は、ローコード開発プラットフォームとして、様々な業界で活用されています。日本原燃の事例は、原子力業界におけるローコード開発の可能性を示すものであり、今後の更なる発展が期待されます。


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