日本食文化を学ぶセミナーがスペイン・サンセバスティアンで開催
2017年3月1日、スペインのサンセバスティアンにあるバスク・クリナリー・センターにて、"Taste of Japan in San Sebastian"というテーマの下、日本の食文化と食材についてのセミナーが開催されました。このセミナーでは、特に日本の伝統的な調味料の重要性と、その背後にある作り手の思いについて焦点を当てました。
セミナーの概要
セミナーには、合計132名のBCC(バスク・クリナリー・センター)の大学生と大学院生が参加しました。プログラムは、調味料の使用法や調理法に関する講演と、日本の伝統的な家庭料理の調理デモンストレーションによって構成されています。そこで、参加者は日本の基本的な調味料や料理法について学びました。
プログラムは以下のような内容で進行されました:
- - 9:00~10:10 - 『日本食材の骨子である調味料の使用法』
- - 10:30~11:40 - 『日本の基本調味料を活用した伝統的家庭料理』
- - 12:00~12:50 - 『「だし」を通じて見る日本人の食材生産への思いと生産方法』
- - 13:00~13:50 - 『日本独自の発酵文化から日本食の文化を伝える』
各講師はそれぞれの専門分野に基づき、参加者たちに深い知識を提供しました。
講師陣
- - 藤田千恵子:文筆家として、日本の伝統的な調味料をテーマにした講演を行い、5種類の基本の調味料のテイスティングを通じてその魅力を伝えました。
- - 馬宮加奈:和酒バルKIRAZのオーナーシェフであり、独自の調味料を用いた家庭料理のデモンストレーションを担当しました。彼女は日本酒と料理のマリアージュについても言及しました。
- - 粟木政明:自然農法指導者として、だしの重要性や生産者のこだわりについて語り、参加者たちに深い理解を促しました。
- - 佐々木要太郎:民宿経営者であり、どぶろくの名人として、発酵文化についての講演を行いました。
参加者の反響
セミナー後に行われたアンケートでは、参加者たちから高い評価が寄せられました。「実践的で、日本食に関する理解が深まった」「生産者の思いを知り、感動した」といった声が多数あり、大盛況を収めました。このセミナーは日本の食文化への関心を高める一助となり、BCCの指導者や生徒たちにも新たな視点を提供しました。
さらに、BCCのホルヘ・ブレトン教授は、「日本食文化を正しく伝えてくれたことで、私たちもその理解を深めることができた」と感謝の意を表しました。これにより、日本とスペインの食文化交流が一層進展することが期待されます。
背景
本セミナーは、サンセバスティアンでの日本食文化を広めるプロジェクトの一環として位置づけられており、これまでも様々な活動が行われています。先般は"CINEMA CARAVAN in Basque"として、現地で日本産食材を紹介するイベントも開催されており、日本食に対する理解をさらに深めるきっかけを提供しています。これらの活動は、食が持つ国境を越えた力を証明するものでもあります。今後の展望としても、日本の食文化が世界で一層認知されることが期待されています。