HPE、環境・社会・ガバナンスの目標を掲げた2023年度レポートを公開

HPEが公開した2023年度Living Progressレポート

ヒューレット・パッカードエンタープライズ（HPE）は、環境、社会、ガバナンス（ESG）に関する取り組みをまとめた2023年度のLiving Progressレポートを発表しました。この報告書では、HPEが未来に向けて掲げるコミットメントと目標が詳細に示されており、特に2040年までにバリューチェーン全体でのネットゼロの実現に向けた取り組みが強調されています。

環境への取り組みとネットゼロへの道

HPEの社長兼CEOアントニオ・ネリ氏は、持続可能な社会の実現はテクノロジーによって推進されるとの信念を述べています。具体的には、HPEは自社のバリューチェーン全体でネットゼロ企業となることを目指し、そのための具体的な行動計画を策定しました。これにはSBTi（Science Based Targets Initiative）によって承認された目標が含まれ、気候科学に基づいたアプローチが採用されています。

具体的な取り組み

HPEはまず、自社でコントロール可能なScope1とScope2から手をつけています。特にクリーンエネルギーの使用を拡大し、排出量の削減に貢献しています。その結果、2025年までに再生可能エネルギーの電力調達を50%にする目標を前倒しで達成しました。これは、今後の目標達成に向けた基盤となるでしょう。

一方、Scope3については、直接的にコントロールできないため、より難しい課題とされていますが、HPEはこの課題に革新をもたらす製品とビジネスモデルを導入することで、取り組みを進めています。

サステナブルなITサービスの提供

2023年度のHPEは、ITサステナビリティサービスのポートフォリオを拡充しました。この拡充により、データセンターや製品単体でのサステナビリティ課題を包括的に支援する体制を整えました。さらに、環境への影響を可視化するための新たなツールやダッシュボードを開発し、お客様が環境を配慮した選択を行えるようサポートしています。

特に、HPE Sustainability Insights Centerは、エネルギー使用量およびCO2排出量をリアルタイムでレポートし、企業が持続可能な目標を効果的に追求できるよう手助けしています。

社会的責任と企業文化の強化

HPEは人権を重視した企業文化を掲げており、その取り組みは上層部の意識から始まっています。労働者に対するサポートを強化し、サプライチェーンにおける倫理的責任を果たすことにコミットしています。また、AIに関する倫理基準を厳格に設定し、透明性を保ちながらプロダクトを提供しています。

特に注目すべきは、HPEが推進する無条件のインクルージョンを基盤とした企業文化です。これは、多様性を重視し、全てのチームメンバーが安心して意見を表明できる環境を築くことを目的としています。エクゼクティブコミッティーの50%が女性であることは、そのような文化の一端を示しています。

評価された倫理基準と今後の展望

HPEの取り組みは、様々な信頼性の高い組織から評価を受けています。その中には、業界内で最も倫理的とされる企業リストにおいて3年以上1位にランクインし続けていることが含まれます。これにより、HPEは倫理基準のリーダーとしての地位を確立することに成功しています。

今後もHPEは、テクノロジー革新を通じて持続可能な社会の実現に寄与することを目指し、そのプロセスがさらに進化することを期待しています。HPEのLiving Progress レポート2023年度の詳細は、公式ページで確認できます。