プロジェクト概要
株式会社すららネットと埼玉県朝霞市教育委員会が共同実施した実証研究が注目を集めています。この研究は、AIを活用したアダプティブな対話式ICT教材「すららドリル」を通じて、児童生徒が自分のつまずきを克服し、成長を実感する教育のあり方に新たな光を当てています。アプローチは「つまずきを自信に変える」ことをテーマにし、生徒の学習プロセスの改善を目指しました。
実証研究の内容
この研究は、2025年5月から2026年3月の間に実施され、朝霞第四中学校での英語、朝霞第三小学校での算数の授業が対象です。1年生約120名と6年生約130名が参加し、授業で行われた小テストや復習課題を通じて、生徒の理解度が可視化され、自分に合った復習を行うというサイクルが構築されました。実証後のアンケート結果では、76.7%の生徒が「やればできる」と実感し、自信を持てるようになったことが示されています。
個別最適化の効果
今回の研究で特に注目すべきは、「個別最適化された学習」がもたらした意識の変化です。生徒の70.9%が自分に最適な問題が出ていると感じ、74.8%は自分の苦手やつまずきを理解する力が向上したと回答しました。この結果は、知識の習得だけでなく、非認知能力の向上にも寄与している可能性を示唆しています。生徒一人ひとりが主体的に学びを進めることができ、その結果、自信を持って学ぶ姿勢が促進されたのです。
学業成績の向上
この実証研究では、学力面でも顕著な成果が見られました。学期末テストの点数を比較したところ、学力全体が上方へシフトし、特に低学力層の生徒の得点が大幅に向上しました。これにより、学力差が縮小し、教育の平等性が実現される可能性が見えてきました。課題への取り組み状況と学力の間には明確な相関関係があり、AIによる復習課題への積極的な参加が効果的であることが示されています。
学習サイクルの構築
本実証研究では、学びのプロセスをしっかりと設計しました。授業内の小テストでつまずきを即時に可視化し、生徒それぞれに合った復習課題を自動配信。その後の学び直しを通じて、「わからない」を「わかる」に変える仕組みが整っています。この流れは、学びの「個別最適化」から「自己理解」「苦手の克服」「自信の向上」へとつながる学習サイクルを生み出しています。
家庭学習への効果
小学校では家庭学習を中心に展開され、週次で配信された課題に取り組んだ結果、学力診断テストと学習ログからも相関が確認されました。これにより、家庭学習でも同様の効果が見られることが証明され、AIドリルが多様な学習スタイルに応じた指導を実現できる可能性が示されています。
今後の展望
この実証研究は、AIドリルを活用して「つまずき」を出発点に成長を実感できる学びのモデルを提示しました。生徒たちが自己理解を深め、苦手を克服し、「できるようになる」という経験を重ねることで、もたらされる学習意欲の向上は、教育の現場においてこれからますます重要となっていくでしょう。すららネットは、今回の成果をもとに、教育の現場での新たな活用モデルを推進し、各生徒に合った支援を続けていく方針です。
まとめ
AIを活用した教育の進化に向け、すららネットと朝霞市教育委員会は、新たな学びのかたちを模索し続けています。この研究の成果は、全国の教育現場にとって価値ある指針となるでしょう。