ドバイ ウォッチ ウィークで発表された「HOUSE OF BRANDS」
2023年11月19日、ドバイで開催されたドバイ ウォッチ ウィークにおいて、ブライトリング社のCEO、ジョージ・カーンが「House of Brands」という画期的な構想を発表しました。これは、ブライトリングに加えて、歴史ある2つのブランド「ユニバーサル・ジュネーブ」と「ギャレ」を統合するもので、時計業界における新たな主人公たちを市場に紹介するものです。
時計業界の新時代へ
「House of Brands」は、それぞれが独自の伝統を持つ時計メゾンを厳選し、一つの戦略的なビジョンのもとに集結させたポートフォリオです。この構想により、高級時計の範囲を広げ手に取りやすいモデルから最高級モデルまでが含まれることになります。ドバイ ウォッチ ウィークでの発表は、さらなる国際的な展開を予感させるものであり、特に中東や東南アジア、インドといった重要な地域への進出が期待されています。
CEOのジョージ・カーンは、「我々の目標は、顧客や市場に応じた俊敏な体制を築くことです。ブランドを統合することで、価格帯やライフスタイルの幅を広げていく」と力強く語ります。これにより、時計に対する消費者の期待や変化する関心に応えられるようになることを強調しています。
歴史を再生する2大ブランド
「ユニバーサル・ジュネーブ」と「ギャレ」は、時計界において非常に名高いメゾンです。しかし、1970年から1980年代のクォーツショックによって、これらのブランドは長い間休眠状態にありました。今回の「House of Brands」は、それらのブランドの重要性を再認識させる機会でもあります。
「ギャレ」は、2026年の秋に再始動予定で、エントリーラグジュアリーとしてポートフォリオに加わります。このブランドは、過酷な環境でも信頼性が高い時計を作り出してきた歴史を持ち、ライト兄弟の初の有人飛行に使われたストップウォッチを手がけたことで知られています。こうした背景から、ギャレはブライトリングのブティックを通じて展開される予定です。
一方、ユニバーサル・ジュネーブは、より高価格帯のウルトラ・ラグジュアリー市場をターゲットにし、独立したメゾンとして展開していきます。このブランドは、熟練の職人と共に創造性あふれる時計製造に取り組む予定であり、高名な時計デザイナー、ジェラルド・ジェンタのデザインした「ポールルーター」がその象徴です。
ブライトリングの中核と価値の共有
ブライトリングは、House of Brandsの中心に位置し、140年以上の経験を持ちながら現代的なラグジュアリーとクラフツマンシップを両立させています。ギャレの持つ冒険心とユニバーサル・ジュネーブの高品質が融合することで、時計業界に新しい潮流をもたらすことになるでしょう。
カーン氏は、「伝統を保護しつつ革新を続けることを目的としており、各ブランドが異なるストーリーを持つ中で、真のクラフツマンシップと現代性を共通のテーマとしている」と述べました。これによって、時計製造の新たなダイナミズムが生まれ、消費者に多様な選択肢を提供することが期待されているのです。
発表直後の反響と期待
ドバイ ウォッチ ウィークでは、ブライトリングが約400平方メートルの専用パビリオンを設け、厳選された顧客やメディア関係者に「House of Brands」を体験する機会を提供します。この時期に消費者や業界関係者に与える影響は計り知れず、時計業界の未来に向けての大胆な一歩を感じさせるイベントとなっています。
ブライトリングが進めるこの新しい試みは、単に時計ブランドの統合に留まらず、時計に対する人々の考え方や価値観に新たな視点をもたらすものとなるでしょう。私たちはこの「House of Brands」が引き起こす時計業界の革命の今後に大いに期待しています。