2025年度最新版:国内国立大学寄附金ランキング
2025年8月12日、ポップコーン株式会社が運営する
大学パワーランキングは最新の「国内の国立大学における寄附金ランキング」を発表しました。この結果は、2022年度の決算に基づいて国立大学86校の寄附金受入額を比較したもので、大学の財務戦略や社会的な連携の実態を明らかにしています。
調査の概要
調査は2025年4月から7月にかけて行われ、文部科学省の「国立大学法人決算実績」をはじめ、各大学の財務諸表や基金報告書からのデータを基にしています。寄附金は企業や個人からの金銭寄附に限定され、主に教育研究基金、講座設置寄附、奨学金寄附が含まれています。
ランキングの発表
1位:東京大学
東京大学は創立150周年キャンペーン「UTokyo NEXT150」の一環として寄附募集を強化し、2022年度の寄附金受入総額はおよそ100億円に達しました。特に、東京大学基金には2023年度だけで54億円の寄附が集まり、奨学金の充実及び最先端研究や施設整備を支援しています。
2位:京都大学
京都大学は創立125周年事業「未来基金」に基づき、大型寄附が続出しました。2022年度単体でも66億円を超える寄附を受け、総額は約95億円に達しました。注目のiPS細胞研究などの資金支援を行い、伝統的な研究開発「自由の学風」をしっかりと支えています。
3位:大阪大学
大阪大学は関西の産業界との強力なネットワークを背景に、医薬・化学系企業からの寄附を豊富に受けています。2022年度は91億円の寄附金を集め、国際研究大学としての地位を確立するため、奨学金や産業連携の拡充に力を入れています。
4位:東京科学大学
東京科学大学は2024年の統合を見据え、「東京科学大学基金」を新設し、寄附金が急増しました。2022年度の寄附金受入額は89億円に達し、自大学の教育体制の強化に資する寄附プログラムも拡充されています。
5位:東北大学
「東北大学基金」に加え、震災復興寄附講座を設けた東北大学は、2022年度に約60億円を受け入れました。国際卓越研究大学に指定された2023年以降は、更なる資金調達が期待されており、企業との連携も活発です。
6〜10位の大学
名古屋大学、九州大学、北海道大学、筑波大学、岡山大学の上位校も寄附金受入額を安定的に確保しています。名古屋大学はトヨタ系列企業との協働を、九州大学は地域エネルギー企業とのコラボレーションを展開しています。北海道大学は150周年を目指した「北大フロンティア基金」を通じ、地域への貢献と教育研究を強化しています。
未来への展望
ポップコーン株式会社では、今後も独自のリサーチとオープンデータを組み合わせて、学術・教育分野にかかる調査を継続的に発表し、日本の研究力の可視化を推進する予定です。
このランキングは大学間の競争を促すだけでなく、教育機関の社会的な役割を再認識させる重要なデータとなるでしょう。