HIROTSUとがん検査技術
2025-04-22 09:36:59

がん検査の未来を切り開くHIROTSUバイオサイエンスの挑戦

HIROTSUバイオサイエンスの革新



株式会社HIROTSUバイオサイエンスの代表取締役、広津崇亮氏は、がん検査の可能性を広げる独自の技術「線虫がん検査(N-NOSE)」を開発し、医療界に新しい風を吹き込んでいます。日本では、この技術ががんの早期発見に寄与し、多くの人々の健康を守る助けとなっています。

生物の力を利用した新たなアプローチ


がんは世界中で深刻な疾患であり、その早期発見が患者の生存率に大きな影響を与えることは周知の事実です。広津氏は、「がん検査は多くの人にとって高いハードルがある。身体的負担や経済的コストを軽減する検査方法の必要性を痛感していた」と語ります。これに対して、彼は基礎科学の知識を活かし、線虫の嗅覚システムを応用することを考えました。

ライン虫は優れた嗅覚を持ち、特定の匂いに強い感度を示すことが知られています。この特性を利用し、尿をサンプルとするN-NOSE技術が誕生しました。検査プロセスは手軽で、自宅で行えるため、医療機関に行かずとも尿を郵送することで結果が得られます。

新たながんスクリーニングの革命


東京大学との共同研究を通じて、N-NOSEががんの再発検出にも貢献する可能性が示されました。その結果は2024年に発表され、既存の検査方法に比べて早期に反応を示すことが確認されたのです。これにより、がん治療後の患者にとって、手軽に再発をチェックできる選択肢が提供されることになります。

広津氏は、がん検診が高価な精密検査ばかりではなく、合理的な一次スクリーニングが重要であると強調。「N-NOSEはその一次スクリーニングにおいて最適な手法であり、社会全体に恩恵をもたらすでしょう」と自信を見せます。

世界的な展開へ向けて


中国ではN-NOSEの導入が特に期待されています。広津氏は、中国の医療システムが抱える課題に対して、この低コスト高精度の検査技術が有用であると考えており、「健康中国2030」に向けて貢献できる可能性を示唆しています。中国市場への進出は、臨床試験や現地のパートナーとの協力を通じて進める必要があり、広津氏はこうした取り組みが重要であると述べています。

さらに、彼は「がん検査の意義は早期発見にあり、技術の普及スピードが重要。それには多方面からの協力が必要です」と語り、研究の発展と社会への貢献の両立を目指しています。

N-NOSEの挑戦の未来


広津氏が目指すのは、多様ながん種に対するN-NOSEの拡張です。AI技術を活かして、がんのスクリーニングをさらなる高精度に進化させ、20種類以上のがんに対応する検出システムの開発を進めています。これにより、患者にとってコストを抑えつつ効果的ながんスクリーニングが実現できる見込みです。

28年間の交流を経た広津氏は、中国の発展を感じつつ、「人情が変わらないのが印象的だった」と振り返ります。彼の描く未来は、N-NOSEを通じて生まれる日中の医療協力によって、多くの人々のもとへ届くに違いありません。先進的な技術と人間の温かさが結びつくことで、新たながん検査の時代が到来することでしょう。


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