株式会社すららネットは、東京都千代田区に本社を構える企業で、AIを活用したアダプティブな対話式ICT教材の開発を行っています。最近、同社の人気教材「すらら」のインドネシア語版の小学生高学年向け算数/数学教材の開発が完了したことを発表しました。この動きは、インドネシアにおけるICT教材の普及と事業拡大を狙った重要な一歩です。
「すらら」のインドネシア語版開発の背景
すららネットは、2015年から海外市場への進出を果たし、ICT教材「SuRaLa Ninja!」を開発しました。この教材は、子どもたちに楽しく算数を学んでもらうための内容が盛り込まれています。
特に、2020年からは「すらら」算数/数学のインドネシア語版の開発に着手し、これまでにインドネシア文化教育省と連携し、約1万人の中学生に本教材を提供した実績があります。今回リリースされた小学校高学年向けの教材は、全範囲にわたる基本的な内容が含まれており、特に数と式、数量、図形、関数などがテーマとなっています。さらに、インドネシア教育省関連の専門家が監修を行っており、現地の教育事情を反映させた内容となっています。
日本型算数教育と現地教育への適応
本教材の最大の特長は、日本型算数教育の有用性を強調しつつ、インドネシアの教育環境に適応させることです。論理的思考力や問題解決能力の育成を重視し、インドネシアの教授法と結びつけたカリキュラムを意識しています。これにより、学習者が親しみやすい学習環境を提供し、効果的な教育体験を実現しています。
今後の展望と事業拡大
すららネットは、今回の算数教材の開発を契機に、インドネシア市場での事業展開をさらに加速させていく方針です。すでに多くの小学校へ教材が導入されており、国の試験に備えるためのテスト機能を活用することも予定しています。また、インドネシアの職業高校や技能実習生向けに提供している日本語学習ICT教材「すららにほんご」とも連携させることで、基礎的な算数・数学力が求められるニーズにも応えています。
このように、すららネットは算数・数学教育と日本語教育を融合させることによって、インドネシアの学生たちが日本での就業へとつながる道を開くことを目指しています。特に中学生、高校生を対象にしたコンテンツの充実を図り、将来的にはそれぞれの学年において深刻な数学力の課題が解決されることを期待しています。
すららネットの企業理念と国際的な取り組み
すららネットは「教育に変革を、子どもたちに生きる力を。」という企業理念を掲げています。日本国内では約2,600校での導入が進んでおり、発達障害や経済的困窮家庭の子供たちにも学習機会を提供する取り組みを行っています。また、2014年から海外での事業も展開し、多くの国での教育システムに日本型教育が注目されています。
今後もすららネットは、様々な教育サービスや教材を通じて、インドネシアにおける高品質人材の育成と雇用機会の拡大に寄与していく意向です。