京都医療センター、全国初のコマンドセンター導入
2025年11月7日、金沢市で開催された第79回国立病院総合医学会において、国立病院機構京都医療センター(以下、京都医療センター)の髙田幸千子看護部長が、コマンドセンターの導入成果を発表しました。この発表は、京都医療センターが国立病院機構内で初めてコマンドセンターを導入したことに対する重要な報告であり、病院経営のデジタル化が進む中での先進的な取り組みを示しています。
コマンドセンターは、病院内のさまざまなデータをリアルタイムで可視化し、最適な患者フローを追求するための「デジタル司令塔」として機能します。このシステムは、GEヘルスケア・ジャパン株式会社が開発した医療デジタルトランスフォーメーション(DX)のソリューションです。京都医療センターは、2025年4月よりこのシステムを稼働開始し、医療現場の効率と質の向上に貢献しています。
コマンドセンター導入による効果
同センターは、コマンドセンターの導入により、以下の主な成果を上げました。具体的には、
- - 入院患者数が前年同期比で7.4%増加:地域における医療需要の高まりを受けて、病院に訪れる患者が増加しました。
- - 救急搬送からの入院患者数が13%増加:緊急対応の強化も相まって、救急搬送された患者の入院が増えています。
- - RRT(院内迅速対応チーム)の起動件数が2倍以上増加:患者の重症化を早期に察知し、迅速な対応を可能にしました。
- - 看護部門の残業時間が40%削減:業務の効率化により、看護スタッフの負担が軽減。
- - 医業収支が46%改善、収支率も2.8%の改善が実現:経営面での大きな成果にもつながりました。
これらの成果は、コマンドセンターがリアルタイムに可視化したデータを活用することで達成されました。常に最新の情報がスタッフに提供されるため、的確で迅速な意思決定が可能になるのです。
院長とGEヘルスケア社のコメント
京都医療センターの院長、川端浩氏は「この取り組みは、患者一人ひとりに最適で質の高い医療を提供することを目指すものです。コマンドセンターの導入によって、情報のリアルタイム共有が実現し、迅速な判断と行動が可能になっています。」と語ります。
一方、GEヘルスケア・ジャパンの若林正基 CEOも次のように述べています。「病院内のデータをリアルタイムで可視化することで、医療従事者の行動変容を促し、業務の効率化に寄与します。」
コマンドセンターの重要性
コマンドセンターは、複雑な医療データを扱う現代医療において、効果的なツールとなりつつあります。京都医療センターの取り組みは、全国の医療機関におけるデジタル化のモデルケースとして位置づけられています。医療の質向上や業務の効率化に向けた挑戦は、今後も続いていくでしょう。
まとめ
京都医療センターによるコマンドセンター導入は、医療現場に新たな風を吹き込み、患者の安全と医療従事者の労働環境を改善する画期的なものです。この動きが全国の医療機関に広がっていくことを期待し、さらなる成果に注目したいですね。