木質バイオマス発電灰の有効活用に向けた共同研究開始!
株式会社奥村組、神鋼商事株式会社、国立大学法人室蘭工業大学は、木質バイオマス発電所から発生する木質系バイオマス燃焼灰(以下、燃焼灰)の有効活用に向けた共同研究を開始しました。
近年、環境問題への関心が高まる中、再生可能エネルギーである木質バイオマス発電への注目が集まっています。しかし、発電過程で発生する燃焼灰は、これまで産業廃棄物として処分されてきました。
今回の共同研究では、燃焼灰が持つ強アルカリ性に着目し、家畜伝染病予防用資材としての活用可能性を探ります。鳥インフルエンザや豚熱などの家畜伝染病対策には、消石灰が消毒剤として広く使用されていますが、燃焼灰も水に濡れると消石灰と同様の強アルカリ性を示すことから、代替材としての活用が期待されています。
共同研究の概要
奥村組が出資する石狩バイオマス発電所で発生した燃焼灰を用いて、以下の項目について研究を進めます。
消毒効果の有無
効果発現までの時間
* 持続性
室蘭工業大学の山中真也教授は、消石灰の消毒効果に関する豊富な研究実績を持ち、今回の研究にもその知見を提供します。神鋼商事は、石狩バイオマス発電所に木質バイオマス燃料を供給しており、燃焼灰の消毒材としての商品化と販売について協力します。
循環型社会の実現に向けた取り組み
本共同研究は、再生可能エネルギーである木質バイオマス発電から排出される燃焼灰を有効活用することで、循環型社会の実現に貢献することを目指しています。燃焼灰の有効活用は、廃棄物削減だけでなく、環境負荷の低減、資源の有効活用にもつながるため、今後の社会実装が期待されます。
関係者のコメント
奥村組 投資開発事業本部 新事業開発部 新エネルギー・電力事業開発課長 大矢好洋氏
「本共同研究を通じて、木質バイオマス発電灰の有効活用方法を確立し、環境負荷の低減と循環型社会の実現に貢献したいと考えています。」
神鋼商事株式会社 代表取締役社長 髙下 拡展氏
「木質バイオマス発電事業を通じて培ってきた知見を活かし、燃焼灰の消毒材としての商品化を目指します。持続可能な社会の実現に貢献できるよう、積極的に取り組んでいきます。」
国立大学法人室蘭工業大学 学長 松田 瑞史氏
「本学の研究成果が社会実装され、家畜伝染病予防に貢献できることを嬉しく思います。今後も、社会課題解決に貢献できる研究を推進していきます。」
共同研究の今後の展望
本共同研究は、実証実験を経て、燃焼灰の消毒材としての商品化を目指します。将来的には、家畜伝染病予防だけでなく、農業や土壌改良など、様々な分野での活用も期待されています。