株式会社商船三井、重大海難事故想定の緊急対応訓練を実施

株式会社商船三井、緊急対応訓練を実施

株式会社商船三井は、10月6日に、グループ会社であるSeaLoading Holding ASが所有するCargo Transfer Vessel（CTV）を用いて、重大な海難事故を想定した緊急対応訓練を行いました。これにより、緊急時の連携や対応策の確認が行われました。

訓練の概要

今回の訓練では、予想される事故シナリオを基に、商船三井とその関連企業がどのように連携し、迅速に下すべき判断を確認しました。SeaLoading社のCEOである久保氏をはじめ、商船三井の関係役職員も参加し、具体的な状況での対応について意見交換が行われました。さらに、海上災害防止センターを含む外部関係者も招待され、事例紹介や訓練への評価が行われました。

想定された事故状況

訓練では、SeaLoading社のCTVがブラジル沖、リオデジャネイロ南方で停泊中のFPSO（浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備）からタンカーへの原油積み替え作業中、突如として悪天候に見舞われ、荷役作業を中断し緊急離脱を余儀なくされるシナリオが設定されました。この際、CTVとタンカーを接続する積み替えホースが破断し、最大で約80m³の原油が海上に流出する可能性があるという非常に深刻な状況が描かれました。

訓練の意義

今回の訓練を通じて、商船三井は緊急時の対応スキルを強化し、同社グループ全体の安全意識を高めることを目指しています。このような取り組みは、「世界最高水準の安全運航」を実現するために不可欠な要素です。

CTVの重要性

Cargo Transfer Vesselは、タンカーが強風や波により揺れる海域でもFPSOと連携して原油を効率的に積み出すための特化した船舶です。現在、この技術を持つCTVは世界に2隻のみ存在し、これを全てSeaLoading社が所有し、関連特許も保有しています。以前よりも原油の物流効率を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。