Micron社、驚異的な速度と省電力性を両立した60TB SSD「Micron 6550 ION」を発表
Micron Technology, Inc.は、データセンター向けに世界最速の転送速度を誇る60TB SSD「Micron 6550 ION NVMe™ SSD」を発表しました。本製品は、PCIe Gen5とE3.Sフォームファクタに対応した業界初の60TB SSDとして、データセンターにおける性能と省電力性の新たな基準を打ち立てます。
圧倒的な性能と省電力性
Micron 6550 IONは、最大14GB/秒の転送速度を実現しながら、消費電力はわずか20ワットに抑えられています。これは、従来の同容量SSDと比較して最大20%もの省電力化に成功した成果です。この省電力化は、アクティブ・ステート・パワー・マネジメント(ASPM)機能や、業界最先端の省電力型G8 NANDの採用によるものです。
さらに、1ワットあたりのシーケンシャル読み取り速度は179%向上し、書き込み速度も150%向上しています。ランダム読み取り速度も大幅に改善されており、電力効率の大幅な向上も確認されています。
AIワークロードへの最適化
Micron 6550 IONは、AIワークロードにも最適化されています。NVIDIA® Magnum IO™ GPUDirect® Storage(GDS)との組み合わせでは、性能が147%、電力効率が104%向上することを実証しています。深層学習のベンチマークテストにおいても、優れたパフォーマンスと電力効率を実現しています。また、AIモデルのチェックポイント処理時間を大幅に短縮できることも確認されています。
高密度化と迅速なデータ転送
E3.S、U.2、E1.Lのフォームファクタに対応し、特にE3.Sでは、ラック内のストレージ要件を最大67%削減できます。これは、データセンターのスペース効率を大幅に向上させ、コスト削減にもつながります。1Uのサーバーに20台のE3.Sドライブを搭載することで、単一ラックで最大44.2ペタバイトのデータを格納可能です。さらに、大容量ながら、61.44TBのデータの書き込みをわずか3~4時間で完了できるため、ドライブの再構築やAIトレーニングセットの準備時間を大幅に短縮できます。
強固なセキュリティと信頼性
Micron 6550 IONは、ランダム16KB書き込みで1.0 RDWPD(ランダムドライブ書き込み/日)を提供し、競合製品と比較して最大42%の耐久性向上を実現しています。また、SPDM 1.2による認証やSHA-512による署名生成に対応するなど、高いセキュリティ機能も備えています。TAA準拠およびFIPS 140-3 L2認証取得が可能で、政府機関の厳しいセキュリティ要件も満たしています。
業界関係者の高い評価
AMD、VAST Data、WEKAなどの企業関係者からも、Micron 6550 IONの高い性能と省電力性、そしてAIワークロードへの適合性について高い評価を得ています。
まとめ
Micron 6550 IONは、その圧倒的な性能、省電力性、高密度化、そして高いセキュリティを兼ね備えた、次世代データセンターのための革新的なSSDです。AIの進化や大容量データ処理のニーズの高まりに応え、データセンターの効率化に大きく貢献するソリューションとして注目を集めています。