女性リーダー登用のための360度評価データ分析から見える課題とは
国際女性デーに先立ち、多くの日本企業における女性リーダーの登用に関する課題が浮き彫りとなっています。Institution for a Global Society株式会社(IGS)が提供する「GROW360+」の約100万件の360度評価データを分析し、女性リーダーの登用においてどこに問題があるのかを掘り下げます。この分析によれば、問題は個々の能力の差異ではなく、評価基準や機会の設計に偏りがあることが示唆されているのです。
課題の概要
女性リーダー登用に関する分析は、特に3つの重要なポイントを指摘しています。端的に述べると、
1.
役割の固定化:特定の領域で評価が高い一方で、意思決定に関わる領域で低評価が付けられる傾向がある。これにより、女性リーダーが本来果たすべき役割に参加しにくくなる。
2.
評価バイアス:男女の差が限られた業種でも、意思決定において男性が優遇される傾向が見受けられ、これによって機会の不平等が生じている。
3.
同質化のリスク:特定の行動様式に評価が偏ることで意思決定の視点が同質化し、より多様な意見が取り入れにくくなる。
分析結果の詳細
IGSが実施したこの分析の目的は、「なぜ」を特定することではなく、組織デザインにおける課題を明らかにすることです。機能のあるデータ提供を通じて、企業は効率的に課題を把握し、女性登用を推進する方法を見出す必要があります。
観測された傾向
パターンA:二極化型
分析により、女性社員は「対外・協働・価値観」に関する項目で比較的高い評価を受ける一方、「意思決定・推進」分野では低評価であることが観測されました。これは、固定化された役割の証とも言えます。
パターンB:偏在型
このパターンでは、男女の評価差は小さいものの、自己効力や影響力において男性が優れて評価される傾向があります。これは、特定の行動様式が評価されやすい社会構造が影響しております。
どうすれば解決できるのか
女性リーダーの登用に関する議論は、単に人数を増やすだけではなく、どのような行動タイプが評価と役割に結びついているのかを分析することが重要です。具体的には、役割や裁量の偏りがないか、評価と機会の見直しが必要です。データを用いることで、組織の意思決定に関わる層を広げ、多様な視点を確保することへとつながるでしょう。
IGSの提供価値
IGSは、評価結果を可視化し、偏りや傾向を把握するためのデータを提供しています。特許取得済みのバイアス補正技術により、個人と組織を比較可能なデータを生成し、企業の実情に応じた意思決定の支援を行っています。
これからの展望
今後はこのデータを基に、女性リーダーの登用に向けた具体的な施策を提案し、実行に移すことが求められます。数値的なデータとともに、個々の能力を制限する評価基準の見直しが、より多様な組織構築につながるのです。企業とは一つの公共の場であり、多様性が豊かさを生む時代に、女性リーダーの登用は避けて通れない重要なテーマとなっています。