パナソニック、リモートカメラのNDI標準対応拡大
パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社(以下、パナソニック)は、映像制作に関する新たな取り組みとして、リモートカメラシリーズおよびカメラレコーダーのNDI(R)標準対応を拡大しました。この発表により、今後は4KインテグレーテッドカメラのAW-UE40W/K、AW-UE50W/K、AW-UE150W/Kや、メモリーカード・カメラレコーダーのAG-CX350が無償でNDI(R)に対応します。
この改革で、これまでに8万台以上の該当カメラがNDI(R)を標準機能として搭載することとなり、映像制作の現場に変革をもたらすことが期待されています。映像機器のIPネットワーク対応は急速に進んでおり、NDI(R)の導入によって制作業務の効率化と柔軟性が一段と高まるでしょう。
NDIの基本とその利点
NDI(R)とは、IPネットワークを通じて映像機器を接続できるオープンな標準規格です。この規格を使用すると、一般的なギガビットIPネットワーク環境を活用して、映像制作のフローをスムーズにIP化できます。例えば、スイッチャーやカメラ、メディアサーバーなど、NDI(R)対応の機器は様々なデバイスから簡単にアクセス可能です。これにより、豊富な素材を活かした動画制作がスピーディーに行えるようになります。
さらに、PoE(Power over Ethernet)対応のパナソニック製リモートカメラを使用することで、映像と音声の伝送だけでなく、電源供給や制御も一本のイーサネットケーブルで行えます。これにより設置や配線の手間とコストが大幅に削減されると言われています。
NDIエコシステムの拡張と期待
NDIプレジデントのDaniel Nergard氏は、「パナソニックとの連携は、NDI(R)エコシステムの拡大において非常に重要です。パナソニック製品がNDI(R)を標準機能として提供することで、ユーザーはIP映像制作の利点を享受できます」と述べています。映像制作に関するIP化の流れを先導するパナソニックにとって、今回の標準対応拡大は新しい革新的なソリューションの実現を期待させます。
豊富な対応製品とシステム構築の自由度
すでにNDI(R)に対応しているパナソニック製品も多く、AW-UE160W/K、AW-UE100W/K、AW-UE80W/Kなどのリモートカメラや、AK-UCX100などのスタジオカメラが含まれています。また、4KマルチパーパスカメラのAW-UB50やAW-UB10など、多彩な製品群を揃えています。さらに、コンパクトスイッチャーのAV-HSW10およびAV-UHS500、ライブ映像制作向けのIT/IPプラットフォーム「KAIROS(ケイロス)」など、システムとして組み合わせることができれば、より効率的なIP映像制作が可能です。
無償ファームウェアの提供と今後の展望
このNDI(R)対応は、2024年12月から2025年4月にかけて行われる無償ファームウェアのアップデートにより実現される予定です。これにより、出荷される新製品もNDI(R)が有効化された状態で提供されることとなります。パナソニックは、映像機器のIPネットワーク化の促進に力を入れ、業界の発展に貢献していくことでしょう。
詳細については、パナソニックの公式ウェブサイトやプレスリリースを通じて確認できます。