ソフトウェアテストの新しいアプローチ、MBT
ソフトウェアテストにおいて新たな展開を迎える「モデルベースドテスト(MBT)」が注目されています。JSTQB(日本ソフトウェアテスト技術者資格認定組織)は、2025年9月24日にこの新しいアプローチを学ぶためのシラバスを日本語で発表しました。このシラバスは、テストに携わるすべての人に向けた重要な資料です。
MBTの基本概念
モデルベースドテストは、システムの構造や動作をモデルとして表現し、それを基にしてテストケースを生成する手法です。このアプローチは伝統的なテスト技法ではカバーしきれない部分を補完し、効率的で漏れのないテストの実施を実現します。
具体的なテスト技法の拡張
例えば、古典的なテスト技法である同値分割法や境界値分析、デシジョンテーブルテスト、状態遷移テスト等がモデルと組み合わせることにより、より高度なテストを自動生成することが可能になります。その結果、テストプロセス全体の精度や迅速性を向上させることができます。
シラバスの特徴
新たに公開されたシラバスの主な特徴は以下の通りです。
1.
モデルからの自動テストケース生成: システムの動作を視覚的なモデルで表現し、そこから効率的にテストケースを作成する方法を学びます。これにより、手作業で考えるよりも漏れが少なく、時間の短縮も期待できます。
2.
多様なモデル技法の習得: 状態遷移図、決定表など、多様なモデルの使い方を習得できるため、システムの特性に適した表現方法を選定できるようになります。
3.
実践知識の習得: 実際の現場でツールを導入し運用するためのノウハウを得ることができる内容となっております。具体的には、費用対効果の考え方や組織への浸透方法も含まれています。
シラバスの構成
このシラバスは以下の章立てで構成されています。
- - 第0章: 本シラバスの紹介
- - 第1章: モデルベースドテスト入門
- - 第2章: MBTモデリング
- - 第3章: テストケース生成のための選択基準
- - 第4章: MBTテストの実装と実行
- - 第5章: MBTアプローチの評価と導入
- - 第6章: 略語について
- - 第7章: 参考文献
このシラバスは
こちらのサイト から無料でダウンロード可能です。
JSTQBについて
JSTQBは、ソフトウェアテスト技術者の資格認定の運営組織であり、国際的な基準に基づいて認定を行っています。2005年からはISTQB(International Software Testing Qualifications Board)の一員として、国際的な資格の運用に関与しています。この資格は世界中で通用し、国際的なキャリアの構築に寄与しています。
また、JSTQBの公式ウェブサイトでは、ソフトウェアテストに関する豊富な知識や情報を無料で提供し、技術者のスキル向上を支援しています。
お問い合わせ先
この機会にぜひ、最新のシラバスを活用して、モデルベースドテストの技術を深めてみてはいかがでしょうか。