女性の『我慢』と市場の可能性
株式会社ハー・ストーリィが実施した「時間とお金の使い方」に関する調査が明らかにしたのは、女性が抱える時間不足の悩みとその裏に潜むビジネスチャンスです。この調査は、男女間の意識と行動の違いを鮮明に示し、特に女性の不満がどのように市場価値に変化し得るのかを探るものとなりました。
調査概要
調査は2025年の1月29日から2月6日の間に、15歳以上の男女775人を対象にインターネットで行われました。男性68人、女性707人という構成比が示すように、多くの女性が時間の使い方に対して不満を抱いていることが浮き彫りになりました。
男女の時間の使い方の違い
調査の結果、男性の72%が「今の時間の使い方に満足」と答える一方で、女性の半数以上が「不満」または「もっと時間が欲しい」と感じています。特に、女性は家事や育児、義務的な作業にかける時間が男性の約2倍に達しており、この分の「本当はもっと◯◯したい」というニーズが存在していることがわかります。
自己投資・趣味への欲求
さらに、「1日の時間のうち、もっと増やしたいと思っている時間は何か?」という質問に対しては、自己投資や趣味の時間を増やしたいとの回答が女性の方が多く、これが彼女たちの現実の悩みを表しています。これは、時間不足が深刻な問題であることを知らしめています。
お金の使い方の傾向
お金の使い方においても、男女間には顕著な違いがあります。特に子どもを持つ回答者においては、男性が広くバランスの取れた支出をするのに対し、女性の約7割が「子どものため」にお金を使うと回答しました。これにより、女性は自己のためよりも家族のためにお金を使う傾向が強いことが浮き彫りになりました。
ビジネスチャンスへの提案
この調査結果から特に目を引くのは、女性が「もっと時間を持ちたい」「自身にもっと投資したい」と願いながらもそれを我慢している点です。この「我慢」を解決する商品やサービスが、今後のマーケティングにおいて重要なインサイトとなるかもしれません。
具体的なアプローチ
1.
義務時間を減らし、自由な時間を生み出す商品・サービス
2.
自己投資を促進する提案
3.
子どもや家族を通じて自己満足を得るアプローチ
女性の「不満」や「もっとこうしたい」といった声を無視せず、市場における女性消費を取りこぼさないように心がけることが、今後の企業に求められています。男性視点ではなく、女性の視点に寄り添った商品やサービスの開発が、新たな顧客を呼び込む大きな鍵となるでしょう。
株式会社ハー・ストーリィの取り組み
株式会社ハー・ストーリィは、女性マーケティングを専門にした企業として、女性のライフコースやステージに基づく詳細な調査を行い、その結果をもとに実践的なマーケティング戦略を提供しています。今後もこの分野における研究を進めていくとともに、女性市場に特化した商品開発支援や相談サービスを拡充していく予定です。
詳細データについては、法人クラブ「in herstory」の会報誌『HERSTORY REVIEW』もご覧ください。