長野県箕輪町、新たな多言語翻訳サービスの導入
長野県箕輪町は、生成AI搭載の翻訳支援ツール「ヤラク翻訳」を導入したことを発表しました。この取り組みは、増加する外国籍住民への重要情報を確実に届け、地域の安全を図ることを目的としています。2025年4月には正式に運用が始まり、多言語翻訳サービスが本格化する予定です。
外国籍住民の現状
箕輪町は、2025年6月の時点で人口約24,000人のうち、820人以上の外国籍の方々が生活しています。彼らは主に町内の製造業で働いており、出身国はブラジル、ベトナム、フィリピン、インドネシア、中国など多岐にわたります。これまでは主にポルトガル語による情報提供が行われてきましたが、住民の多様化に伴い、複数の言語での情報提供が求められるようになっています。
特に2020年の新型コロナウイルス流行時には、外国籍住民からの生活相談が急増しました。長く住んでいるにもかかわらず、基本的な救急サービスの利用方法が不明という事例があったことから、災害時や緊急時における情報提供の重要性が再認識されました。
ヤラク翻訳の導入
箕輪町が選んだ「ヤラク翻訳」は、以下の特長があることから高く評価されました。
- - 複数の翻訳エンジンによる比較表示機能: 翻訳結果の違いを簡単に比較でき、より自然な表現を選ぶことができる。
- - 逆翻訳による正確性のチェック: 日本語に戻して意図が正しく伝わるか確認できる。
- - 導入コストの低さ: 初期投資や月額費用を抑えることができる。
- - 個人情報への配慮: 個人情報を扱う職場でも安心して使用できる仕様。
- - 直感的な操作性: ITリテラシーに関係なく、行政職員がすぐに使いこなせる設計。
これらの特長が、限られたリソースの中で最大の効果を求める自治体のニーズにフィットした結果、導入が決定されました。
多言語防災情報の発信へ
2025年のヤラク翻訳導入以降、箕輪町の各担当課が協力し、防災や生活情報の多言語化に力を入れています。従来はポルトガル語での情報提供が中心でしたが、現在の住民構成の変化を受けて、タガログ語やベトナム語、インドネシア語、中国語などへの翻訳も必要とされています。
2025年度中には、これまで日本語のみで発行していた防災ハザードマップを5言語で提供する予定です。この取り組みにより、地域が抱える様々な情報格差を解消し、住民全員に安全な生活を実現するためのステップが踏まれています。
まとめ
箕輪町の見据える未来は、住民全員が安心して暮らせる環境を目指すための多言語翻訳サービスの充実です。八楽株式会社が提供する「ヤラク翻訳」の導入は、地域に根ざした実践的な解決策として評価されており、今後の展開が楽しみです。