漁師と消費者をつなぐ「海のマーケット」
漁業の現状は、困難な状況に直面しています。2003年から2020年の間に、日本の漁業就業者数は43%も減少しました。このままでは、日本の沿岸地域の漁業がさらに衰退してしまう懸念があります。そんな中、株式会社潮風ホールディングスが開発した新しい直売アプリ「海のマーケット」が、その危機に一石を投じることを期待されています。
「海のマーケット」は、漁業者が自身の魚を直接消費者に販売できるプラットフォームです。漁業者はアプリに魚の種類や数量、価格を登録し、消費者が予約・決済を行うことで、港で直接受け取るという仕組みです。この手法は、発送や梱包の必要がなく、物流へのコストを大幅に削減することが可能です。
2026年7月24日、宮崎県串間市で行われた説明会には地元漁業者が集まり、今夏から実証テストが始まる予定です。具体的には、漁業者が水揚げの20%をアプリを通じて販売することで、年間所得が最大49%向上するという試算もあります。このシステムにより、漁業者は自分の価値を直接消費者に伝えられ、一方で消費者には新鮮な海の幸を手に入れるチャンスが訪れます。
クラウドファンディングによる支援
現在、「海のマーケット」の実証テストやアプリ改良、全国への展開に向けた資金を募るため、クラウドファンディングも実施中です。プロジェクトの目標金額は200万円で、すでにすでに多くの支援が集まっています。プロジェクト名は「新しい流通の形で、日本の漁村を守りたい」。支援は随時受け付けており、目標金額に達しなければ全額が返金される「All or Nothing」型となっているため、安心して支援が可能です。
魚の直売システムの利点
「海のマーケット」は、利害関係者すべてにメリットがある仕組みです。消費者は新鮮な魚を手に入れることができ、漁業者は自ら設定した価格で販売できるため、収益の向上が期待できます。また、連携する漁協にも商品売上の一部が分配され、地域経済の活性化にも寄与することが期待されています。
さらに、このアプリは「未利用魚」の活用の道も開きます。市場で取り扱いが難しい魚でも、新鮮な味わいを消費者に伝えることで、新たな価値を見出すことができます。このことは、漁業者にとって新たな収益機会となり、消費者には未知の味わいに出会うチャンスを提供します。
今後の展望
「海のマーケット」は、串間市での実証を経てアプリと運用方法の改善を行った後、全国展開を計画しています。自治体や漁業者との連携を進めることで、より多くの地域に根付くサービスへと成長することを目指しています。また、この取り組みが成功すれば、全国的な漁業の活性化につながる可能性も秘めています。
私たちの食卓に新たな価値をもたらす「海のマーケット」。新しい流通の形が、私たちの生活にどのような影響を及ぼすのか、期待が高まります。