リスクモンスターが発表した中国における日系電子工業の市場動向
リスクモンスター株式会社が展開する連結子会社、利墨(上海)商務情報咨詢有限公司(以下、リスクモンスターチャイナ)は、中国における日系電子工業の市場動向をまとめたレポートを発表しました。この調査は2025年4月時点で開示された法人登記情報に基づき、日本企業が出資している中国企業27,148社のうち、電子工業に分類される671社を対象に行われました。
Chinaの電子工業の成長
中国の電子工業は、半導体技術やスマートデバイスの分野で革新を推進し、グローバルなサプライチェーンの中で重要な存在となっています。国家統計局によれば、2025年の年間売上高が前年比10.6%増と力強い成長を見せており、営業収入も17.4兆元に達すると予測されています。この発表に基づき、日系企業の電子工業に関する最新の動向も明らかにされました。
日系電子工業の現状
調査結果によると、中国市場で活動する日系企業の中で、電子工業に従事している企業は全体の2.5%を占め、671社に上ります。これは2025年に発表された日系企業の業種分布ランキングの中で第10位に位置づけられています。電子工業に参入している企業の中で最も多いのは「電子デバイス製造業」で、全671社中190社(約28.2%)を占めています。続いて「その他の電子機器製造業」が155社(23.0%)、し「電子部品及び電子専用材料製造業」が152社(22.6%)です。
これらの業種では、スマートフォンなどの完成品製造よりも、電子部品や材料の加工といった中流工程に強みを持つことが特徴です。そのため、最終製品市場の需要に対する影響を受けにくい構造を持っていると言えるでしょう。
親会社の分析
親会社別に見ると、最も多いのは「パナソニックホールディングス株式会社」で、17社が中国市場に存在します。パナソニックは1979年から中国市場に進出し、最近では生産に加え、研究開発や販売を一体化した事業体制を構築しています。また、「シャープ株式会社」は、10社が進出し、特に高付加価値の家電事業を強化しているほか、中国内での運営効率向上へ向けた取り組みも進めています。
地域の商業環境
地域別に分析すると、江蘇省(32.0%)、広東省(22.1%)、上海市(20.6%)の3地域で75%が集中しています。特に江蘇省は、集積回路や電子部品の中流工程に注目が集まっており、日系企業の拠点が形成される傾向が見受けられます。リスクモンスターチャイナが発行した「リスモン業種別審査ノート中国・2024年版」でも、江蘇省、広東省、上海市がそれぞれの役割を持っています。
新設企業の動向
新設企業の動向を確認すると、ここ10年間で2021年から増加傾向にあり、2022年には過去10年で最も多い13社が設立されました。しかし、2023年は1社、2024年は3社に減少しており、新規進出の勢いが鈍化しています。その背景には、消費者向けの電子製品市場が低迷し、中国国内での国産化が進んでいることが挙げられます。
総評
日系企業は、長年にわたり東部沿岸地域を基にした成熟したサプライチェーンで成長してきました。しかし、近年の市場環境の変化や国産化の動きにより、新たな投資には慎重になっています。それでも、電子部品製造や材料加工においては依然として強みを持ち、中国のサプライチェーンにおいて重要な役割を果たしています。今後は市場ニーズに応じて機能を再定義し、グローバル戦略の中で中国をどう活用するかが企業の競争力に寄与するでしょう。
参考リンク
本調査結果の詳細はリスクモンスターチャイナのサイトで確認できます。
リスクモンスターチャイナ サイト